ロイヤル フィリップスとアクセンチュアは8月5日(米国時間)、脳波を測定できるデバイス「Emotiv Insight Brainware」とウェアラブルディスプレイを接続したコンセプト実証ソフトウェアを開発したと発表した。

同ソフトは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者をはじめとした神経変性疾患患者の自立的な生活を支援する可能性を示すもので、患者の思考や感情、表情などをリアルタイムで検知し、脳から発信される電気信号を捕えるセンサ技術が搭載されている「Emotiv Insight Brainware」を経由して、ウェアラブルディスプレイに表示されるアプリケーションを視覚的に操作することができる。具体的には、ウェアラブルディスプレイと「Emotiv Insight Brainware」をタブレット端末に接続することで、ユーザーは脳からの指令で「フィリップス緊急通報サービス」、「フィリップス・スマートテレビ(TP Vision製)」、「スマートLED照明 Philips hue」などのフィリップス製品をコントロールすることができるようになるという。同ソフトは、視線や音声の指令によってもコントロールすることが可能で、どちらの場合も、ユーザーはあらかじめ定められたメッセージを通じたコミュニケーションや、医療サポートのリクエスト、テレビや照明をコントロールすることができるようになる。

両社は同ソフトについて、既存のテクノロジーがどのようにALS患者の方々の生活の質を改善できるかを実証する良い例となるとしており、アクセンチュアの最高技術責任者(CTO)であるポール・ドーアティ氏、「同コンセプト実証は、深刻な疾患を持ち、体の動作に問題を抱える人々が、デジタル革命を通じて生活の質を取り戻すという、ウェアラブル技術の力強い新たな可能性を示している。これは、アクセンチュアとフィリップスが技術革新力を持つ企業と協力しながら、健康に課題を持つ人々の暮らしをいかに向上させようと努めているかということの証明でもある」とコメントしている。また、フィリップスのヘルスケア・インフォマティクス・ソリューション&サービス部門のイェルーン・タスCEOも「同コンセプト実証は、たとえ患者が病院にいなくても、人とデバイス、データ、技術を素早く連携することで、患者の生活の質を改善できる可能性があることを証明するものであり、今後も人々の生活を変え、ヘルスケアの未来を創造する新たなウェアラブル技術やセンサソリューションを開発するため、フィリップスは今後ともアクセンチュアのような革新的なテクノロジー企業と協力をしていく」とコメントしている。

ALS患者のさらなる自立支援を目指した脳からの指令で製品を操作できるコンセプト実証ソフトウェア