阪急コミュニケーションズはこのほど、書籍『海賊と資本主義 国家の周縁から絶えず世界を刷新してきたものたち』を発売した。ロドルフ・デュラン氏とジャン=フィリップ・ベルニュ氏の共著。翻訳は永田千奈氏、解説は谷口功一氏。価格は2,000円(税別)。

『海賊と資本主義 国家の周縁から絶えず世界を刷新してきたものたち』表紙

同書は、フランスの新進気鋭若手学者2人による「資本主義論」。故スティーブ・ジョブズ氏はアップル本社に海賊旗を掲げていたことで知られるが、「海賊」的な運動こそが、インターネットなどの新技術を世に普及させてきたという。

"海賊組織"は領域を規格化しようとする国家に、真っ向から対抗する価値観を掲げ、資本主義の影響力が最も薄いグレーゾーンを狙って出没する。「海賊の歴史をたどりながら、海賊活動と組織から資本主義(とその行き詰まり)を俯瞰する」(同社Facebook)。

主な内容は、「Chapitre1 海賊の歴史」「Chapitre2 神話の終わり 反権力としての海賊」「Chapitre3 一時的な歩み寄り 海賊組織と私掠船」「Chapitre4 資本主義の極限 スキゾフレニー」など。

共著者の1人、ロドルフ・デュラン氏は、パリ経営大学院で博士号(経営学)取得後、同校教授を経て、Society and Organizations Research Centerを設立。現在、ニューヨーク大学、ハーバード大学、ケンブリッジ大学などの客員教授。

もう1人の著者、ジャン=フィリップ・ベルニュ氏は、パリ経営大学院で博士号(経営学)取得。現在、ウェスタン・オンタリオ大学ビジネススクール助教。