ルネサス エレクトロニクスは8月19日、産業、OA、民生、ネットワーク、スマートグリッドなどの分野において、待機時にさらなる省電力化が必要なシステムや、停電時にバックアップが必要なシステム向けに、低消費電力モードやバッテリバックアップ機能を内蔵し、DC12Vからの降圧に対応した電源ICを発表した。

"かんたん電源IC"は、マイコンやSoCなどともに、トータルでシステムの低消費電力化が図れる他、小型化をより簡単に実現できるように電源設計工数を軽減したり、複数電源系統を容易に制御できるといった特徴を有する。そして、今回の新製品では、DC/DCコンバータの出力数/出力電圧の違いとバッテリバックアップ機能内蔵の有無により「RAA23012X」シリーズ、「RAA23013X」シリーズ、「RAA23022X」シリーズ、「RAA23023X」シリーズの4シリーズ各3品種の計12品種がラインアップされている。

具体的には、システムが待機時に省電力モードに入った際、独自のAuto PFMモードによる低消費電力モードにより、DC/DCコンバータ1チャネルあたり100μAまで自動的に消費電流を抑えられるため、待機時から通常動作時までの広い電流領域で高効率を実現できる。また、「RAA23012X/23022X」シリーズは、システムの入力電源が遮断された際、新規に内蔵したバッテリバックアップ機能により従来必要とされたダイオード2個を削減できるため、システムの構築コストを20%削減できるのに加え、小型化が図れる。さらに、「RAA23022X/23023X」シリーズは、2つのDC/DCコンバータを1パッケージ化したことにより、電源部の部品点数を半減できるため、システムの構築コストを25%低減しながら、小型化できる。

なお、パッケージは高放熱タイプの20ピンHTSSOP、16ピンHTTSOP、8ピンHLSOP。パッケージ裏面の大半を占めるダイパッドにより、放熱性の高い実装が可能となっている。サンプル価格は「RAA23012X」シリーズが85円、「RAA23013X」シリーズが65円、「RAA23022X」シリーズが140円、「RAA23023X」シリーズが120円。10月より量産を開始し、2015年4月より月産150万個体制に拡大する計画としている。

スマートグリッドや産業、OA分野向け電源IC「RAA23012X/23013X/23022X/23023X」シリーズ