先日のWWDC直前レポート、同タイミングでわかる範囲での次期iPhoneに関する予測を紹介したが、この中で触れたスクリーン解像度について、新しい説が提唱されている。初代の4倍解像度でRetina対応したiPhoneだが、16:9という比率は維持しつつも、従来とは異なる枠での解像度ルールを持ち込むことになるかもしれない。

以前の解像度予測では2つの話を基に具体的な数字を出している。1つめはKGI SecuritiesのアナリストMing Chi-Kuo氏の「1334×750」「1920×1080」という数字で、それぞれが4.7インチ、5.5インチに対応している。

数字の根拠は16:9という比率でHD (720p)とフルHD (1080p)に対応させた場合を解像度を出したもので、筆者の感想では何ら具体的な考察や実際の話を照会したものではない、同氏の憶測に近いものだと考えている。

もう1つは9 to 5 Macの予測で「1704×960」というものだ。16:9という点は同じだが、これは初代iPhoneから比較して縦横方向にそれぞれ3倍、iPhone 5以降のRetinaモデルと比較して1.5倍解像度になっている。こちらもあくまで推測に過ぎないが、その根拠は「デベロッパーの開発負担や過去のアプリとの整合性」を重視した結果で、それなりの説得力を持っていると考えている。

ところが今回、当の9 to 5 Macが持ち出した数字はまったく異なるものだ。現在配布が行われている開発ツールのXcode 6 beta 5において、「414 (width) x 736 (height)」という解像度が定義されているのを発見したという。これをRetina基準で補正すると「828×1472」となり、16:9の比率を維持しつつ、iPhone 5/5sの「640×1136」よりも高い解像度を実現している。ただし前述の数値と比較するとわかるように従来の整数倍での増加比率とは異なる、まったく新しいルールとなっている。

同誌ではこの新しく出てきた解像度で各ディスプレイサイズのppiを割り出したところ、4インチで422ppi、4.7インチで359ppi、5.5インチで307ppiとなっている。現在、5インチクラスでフルHDの解像度のディスプレイというのはそれほど珍しくないため(例えば4.95インチのNexus 5は445ppi)、400ppi未満の数字は決して高いわけではない。むしろppiが下がることでディスプレイが荒く見えることを防ぐのが狙いに思える。

また9 to 5 Macは現在流出しているとされている組み立て済みの「iPhone 6」の顕微鏡写真を例に、「960×1704」と「828×1472」の2つの解析結果が存在すると紹介している。なんともいえない結果だが、1つわかるのはデベロッパーらにとって、今後も従来の開発環境やUIがそのまま通用するとは限らない可能性を認識しないといけないのかもしれない。