三井不動産レジデンシャルはこのほど、 同社分譲「パークタワー西新宿エムズポート」(2013年12月竣工)の居住者を対象に、同物件に導入されている「HEMS(ヘムス)」の利用状況のアンケート調査を実施、結果を公表した。

居住者の「HEMS」という用語の認知度は64%に

同物件では、マンション共用部のエネルギーマネジメントシステム「MEMS」と各住戸のエネルギーマネジメントシステム「HEMS(Home Energy Management System: 住宅用エネルギー管理システム)」の連携や、電力需給に応じたデマンドレスポンスなど、マンション全体の電力を最適化する最新のエネルギーマネジメントシステムを導入。これらのシステムを組み合わせ導入した分譲マンションは初となり、経済産業省の「スマートマンション評価制度」で最高評価の5つ星認定を受けているという。

同調査は、「HEMS」に対する課題とニーズを捉え、居住者のさらなる満足度向上と省エネ行動を促進する商品開発のため、実施したもの。経済産業省「スマートマンション評価制度」において最高評価を受けたスマートマンションでの利用状況の調査は、同社として初めての取り組みとなる。

実施期間は、5月9日~27日。調査対象は、「パークタワー西新宿エムズポート」居住者。調査方法は、ポスティングと郵送返送で、アンケート回答者は58名だった。

居住者の「HEMS」という用語の認知度は64%

「HEMS」という用語の意味を聞いたところ、全体の64%(37人)が「知っている」と回答した。また、「HEMS」が部屋単位や家電単位の電力消費量を測定・表示できることも、81%(47人)が「知っている」と回答。一般的に聞きなれない「HEMS」という用語を認知しておらずとも、「HEMS」に対する機能性認知はあった。

住戸内インターホンによる節電協力メッセージの認知度は83%。

電力に関するマンション内設備・サービスについて知っているか聞いたところ、「共用部(エントランスホール)電力モニター」の認知がもっとも高く、全体の93%(54人)だった。以下、「インターホンでの節電依頼」(83%・48人)、「インターホンでのHEMS、MEMS表示」(76%・44人)が続き、共用部や住戸内壁面に標準設置されているマンション特有な設備の認知度が極めて高くなっている。

住戸内インターホンによる電力ピーク時の節電協力メッセージの認知度は83%

一方、認知が低い設備・サービスとしては「タブレットでのLD(リビング・ダイニング)のエアコン操作」(33%・19人)、 「電気料金確認用のホームページ」(26%・15人)だった。

電力の見える化や節電効果に満足

満足している理由には、「家電を使ったときの使用電力が気になるときに確認できる」「電気料金の意識づけになる」など、電力の見える化とそこからの意識向上が挙げられていた。

一方で、不満足の理由として「使い方が分からない」「マニュアルや入居後のサポートが必要」など、使い勝手に関する意見が見受けられた。

今後に期待するのは、「見える化の強化」

今後「HEMS」に期待する機能を聞いたところ、「お得な電気料金プランの提案」(76%)、「水道やガスも含めたエネルギー消費の見える化」(66%)、「家電ごとの電気代」(64%)など、エネルギー見える化の基本機能を強化することが求められていた。

今後の「HEMS」に期待する機能は、お得な電気料金プランの提案が76%

このほか、「マンション管理組合・管理会社からのお知らせ表示」(64%)、「防犯などのセキュリティー」(60%)などにも関心が集まり、マンションライフの基盤を支える機能にもニーズがあることがわかった。