JR北海道は、昨年8月に函館本線で川の氾濫による貨物列車の脱線事故が発生した問題で、脱線箇所付近に非常導水路を設置したと発表した。

当時の災害状況

完成した非常導水路(線路下部分)

この事故は2013年8月17日1時3分頃に発生。線路近くを流れる熱田川が集中豪雨で増水し、線路上に流木を押し流すとともに線路下のバラストを流出させ、山越~八雲間で機関車と貨車3両が脱線した。熱田川は現場近くで国道の下を通るように交差している川。現場付近の川幅は約1.9mと狭く、脱線事故以前にも大雨による氾濫で線路下のバラストを流出させていた。

今回新設した非常導水路は、北海道開発局、八雲町とJR北海道の3者が共同で建設。線路の上流側で川から分岐し、下流側で合流する形状となっており、川が一定以上の水量となった際に水が流れ込むしくみ。大雨で増えた水を迂回させることで線路を守るとしている。JR北海道は線路下の区間(約16m)の施工を担当した。非常導水路の完成にともない、現場付近で実施している減速運転は今月末で解除される。