ゲッティ イメージズは8日、NHKのビデオライセンス事業を担うNHK インターナショナルと提携し、新映像ブランド「NHKビデオバンク」の提供を開始した。

ゲッティ イメージズ ジャパン 代表取締役社長の島本久美子氏(左)、NHK インターナショナル 理事 迫水理男氏

「NHKビデオバンク」は、NHKが撮影した自然・動物、風景、文化、歴史に関する映像をはじめとした、ニュースやイベントなどのHDクリップを提供する新たなブランド。テレビ番組やWebサイト、広告などの商業利用にも対応できるさまざまな素材をとりそろえているもので、同社のWebサイト上から検索し、用途に応じた利用料を支払うことで使うことができる。

同ブランドはWebサイト経由で提供されるが、ゲッティはそれに加え、Web上にはアップロードされていないNHKアーカイブスのオフライン素材の提供も実施。NHKのアーカイブには1953年以降に放送された番組やニュースが番組85万件、ニュースクリップ600万項目保存されており、利用者はリクエストフォームから問い合わせることで希望の動画を利用することが可能となる。

同日に行われた記者会見において、ゲッティ イメージズ ジャパン 代表取締役社長の島本久美子氏は、今回の取り組みによって、NHKが撮影した日本の風景などを収めたビデオが海外からも手軽に入手できるようになると言及。実際、すでに海外のドラマなどで利用したいとの声がけもあったという。加えて、近年同社においては動画コンテンツのライセンスビジネスがめざましく発展しており、昨年はBBCのライセンスコンテンツの提供を始めたことでさらに成長を見せ、日本では昨年比30%増の売り上げを記録したとも語った。

「NHKビデオバンク」の動画を検索した画面

同社の動画ビジネスはここ10年ですさまじい伸びを見せているという

また、同社 エージェンシー営業部 マネージャーの持家学氏は、実際に同社Webサイト上にて「NHKビデオバンク」の動画を検索するデモンストレーションを行ったのち、このブランドによって強化されたコンテンツについて解説。例えば、海外の制作会社などが日本を舞台とした作品を作りたいと仮定した場合、許可や労力の面で障壁が大きい「空撮」の動画に関して、同ブランドから空撮で収録した動画を探して使うことができるという。その他、海外では日本のイメージとしてよく利用される渋谷のスクランブル交差点の動画や、海外での需要が高い高度成長期の日本の情景を収めた動画も提供可能。こうしたローカル性の高い動画をWeb上からスピーディーに提供できることは、日本の文化を発信するにあたっても意味のあることだとコメントした。

なお、同ブランドでは8日現在約5,200点の動画が購入可能な状態となっている。今後は毎週5,000点程度の新規動画を追加し、年内をめどに3万点程度にラインナップを拡充させることを目標としているとのことだ。