国土交通省は、欧米で航空機内における電子機器の使用方針が変更されたことなどを踏まえ、9月1日から航空機内における電子機器の使用制限を緩和することを発表した。

電波に対する航空機の耐性に応じ使用制限する電子機器の品目と使用制限時間帯

機内モード・機内Wi-Fiなら常時使用可能

携帯電話等の電子機器については、航空機の安全な運航に支障を及ぼすおそれがあるため、従前より航空法に基づく告示により、航空機内での使用を制限していた。9月1日から緩和される主な点は2点ある。

まず、電子機器から発射される電波に対する航空機の耐性に応じて航空機を区分し、その区分ごとに使用可能な電子機器と時間帯を拡大する。なお、航空機の耐性の区分により運用が異なり、また、同じ型式の航空機であっても使用可能な電子機器が異なる。

現状、ドアクローズ時は作動時に通信用の電波を発射する電子機器(携帯電話、パソコン、無線式ヘッドホン、無線式マウスなど)は使用禁止、作動時に通信用の電波を発射しない電子機器(機内モードで機内Wi-Fiシステムに接続する機器、電子ゲーム、デジタルカメラ、ビデオカメラなど)は上空飛行中のみ使用可能だが、今後は常時使用可能となる。

また、着陸の後、滑走路を離脱し誘導路に入った時から、今後は全ての電子機器が使用可能となる(誘導路がない空港については、着陸の後の滑走が終了し、駐機場に向かった時から)。なお、航空機外の設備と無線通信を行う電子機器(携帯電話、パソコン、トランシーバー、ラジコン、無線式マイクなど)は、9月1日以降の引き続き使用禁止となる(着陸後の滑走終了後を除く)。

電子機器の使用制限緩和概要(区分一の航空機内のケース、電波に対して最も耐性のある航空機(区分一: B787,B777,A320等)の場合)