カナダの東海岸から西海岸をヒッチハイクするロボット「hitchBOT」が話題になっている。hitchBOTは7月28日にノバスコシア州ハリファックスをスタートし、モントリオール、トロントを通過し、オンタリオ州ハミルトンを通過中。ヒッチハイクのテーマは「ロボットは人間を信頼できるか?」だ。

hitchBOTは、カナダ・オンタリオにあるマックマスター大学でコミュニケーション学部助教授を務めるDavid Smith教授とトロントにあるライアソン大学のプロフェッショナル・コミュニケーション学部助教授のFrauke Zeller教授が、「コラボレーションアートプロジェクト」として2013年に開始したロボット・アートプロジェクトだ。Smith教授が主要投資家を務める。

今回のヒッチハイクは、Institute for Applied CreativityとAnna Leonowens Galleryがノバスコシアのノバスコシア美術デザイン(NSCAD)で展開するジョイントベンチャーで、東部にあるノバスコシア州ハリファックスから西部にあるブリティッシュコロンビア州ビクトリアまで、カナダを横断するもの。道のりは約,6400kmに及ぶ。

「hitchBOT」の旅の道のり

6月4日にWebサイト、それにFacebook、Twitterなどのソーシャルメディアにもデビューし、わずか10日間でFacebookの「いいね!」は80、Twitterのフォロワーは185を得たという。現在、Facebookの「いいね!」は3万近く、Twitterのフォロワーは2万4,200に達している。

hitchBOTはAI(人工知能)とUIデザインを駆使したロボットで、本体に顔代わりのLED画面を持ち、感情を表現する。内蔵したカメラやマイクによりオーディオとビジュアルのキャプチャが可能なほか、音声認識・処理とWikipedia APIによりさまざまな知識を持ち、カナダの公用語である英語と片言のフランス語による対話が行える。無線通信は3G/Wi-Fiに対応しており、GPSを搭載し、ソーシャルメディアのAPIも持つ。体はソーラーパネルで覆われており、自動車のチャージャーを利用できるプラグも備える。

7月27日にノバスコシア州ハリファックスを出発した時のhitchBOT

右手で親指を上向きにしたヒッチハイカーのポーズをとり、足下は次の心優しいドライバーが現れるまで立つためにブーツで武装した。Twitterでは、車に乗せてもらっているだけでなく、イベントに出席したり、家に招かれたりとさまざまな体験をしていることを報告している。

行く先々でさまざまな体験をしているhitchBOT

ヒッチハイクする理由について、「お金を持っていないし、カナダではロボットはまだ運転免許を取得できないから」とhitchBOTは説明している。Zeller教授とSmith教授は「通常、人間はロボットを信用できるのかと懸念しているが、このプロジェクトは他の角度を試すもので、ロボットが人間を信用できるのかをテーマとしている」と説明している。