ソニーは8月4日、2014年10月上旬より2011年に実用化し、液晶テレビなどの自社製品に採用してきた「難燃性再生プラスチックSORPLAS(Sustainable Oriented Recycled Plastic:ソープラス)のソニーグループ外への販売を開始し、国内外の家電などを手掛ける製造事業者に向けて幅広く提供していくと発表した。

SORPLASは、廃棄されたDVDなどの光ディスクや液晶テレビに使用される光学シート(光学拡散板)などから再生したポリカーボネイト樹脂に、独自の硫黄系難燃剤を加えることで、最大で99%の再生材使用率と高い耐久性・耐熱性を実現した難燃性再生プラスチック。

従来、製造事業所などで排出される廃ポリカーボネイト樹脂は、家電製品に求められる難燃性や強度を満たすために、新しいポリカーボネイト樹脂や難燃剤を多量に添加しなければ、再利用できなかった。同再生プラスチックは、独自の硫黄系難燃剤を用いることで、従来比10分の1未満となる総重量比1%未満の添加量で、従来の難燃剤と同等の難燃効果を得ることが可能。これにより、高い再生材使用率と、従来の難燃性ポリカーボネイト樹脂を上回る耐久性・耐熱性を実現しており、リサイクルを繰り返しても、また厳しい環境下で使用しても特性を維持することが可能だと同社は説明している。

なお同社では、同再生プラスチックを社外にも広く提供することで資源の再利用を促進し、社会での環境負荷低減への貢献を目指すとしている。

加速試験における一般的な難燃性ポリカーボネイト樹脂とSORPLASの耐久性比較

左が一般的な難燃性ポリカーボネイト樹脂とSORPLAS におけるCO2発生量の比較。右がリサイクル時の物性変化の比較

SORPLASの概要