NASAは7月28日、火星探査車「オポチュニティ」が25マイル(約40km)の走行距離に達し、探査車による地球外の走行距離記録を41年ぶりに塗り替えたと発表した。それまでは、ロシアの月面探査車「ルノホート2号」が24.2マイル(約39km)の最高記録を保持していた。

オポチュニティは、NASAの火星探査プログラム「マーズ・エクスプロレーション・ローバープログラム」で利用された探査車で、2004年1月に火星のメリディアニ平原に着陸した。それ以来、10年にわたり、火星の地表を走行してきた。

オポチュニティは7月27日に157フィート(48メートル)移動したことで、25.01マイル(40.25km)の走行距離に達し、新記録を樹立した。

図中の黄色い線が火星探査車「オポチュニティ」の走行の軌跡 写真:NASA/JPL-Caltech/MSSS/NMMNHS

オポチュニティが表示した「Lunokhod 2クレーター」 写真:NASA/JPL-Caltech/Cornell/Arizona State Univ

オポチュニティが表示した「Lunokhod 2クレーター」の立体視 写真:NASA/JPL-Caltech/Cornell/Arizona State Univ

NASAのジェット推進研究所の火星探査ローバープロジェクトのマネージャであるジョン・カラス氏は「オポチュニティは約1kmの走行を想定して作られたもので、長距離走行を意図して設計されていない。それを考えると、この走行距離を達成したのは驚くべきこと」と語っている。

さまざまな探査車の走行距離の比較 写真:NASA/JPL-Caltech