楽天は30日、高度な教育を求めながら経済的に制約のある国内外の学生支援を目的とした、次世代育成のための奨学金プログラムを開始すると発表した。奨学金による教育振興は、楽天では初の取り組み。

楽天は、これまでCSR活動の一環として、未来を担う子供たちの成長を支援するために様々な教育振興に取り組んできた。今回、新たな教育振興の取り組みとして、国内外のNPO法人と連携し、高校生・大学生を対象とした奨学金プログラムを提供する。

第一弾となる海外においては、社会的な課題に対処できるグローバル・リーダーを育成するNPO法人「GLOBAL CITIZENS INITIATIVE」(以下、GCI)と、第二弾となる国内においては、実践型インターンシップの機会を大学生に提供することで多くの起業家を輩出してきたNPO法人「ETIC.」と連携し、次世代リーダーの育成を推進する。

海外での取り組みでは、GCIが今夏に米国ボストンにあるハーバード大学の研修施設にて開講するサマースクールプログラム「Global Citizens Summit for Youth」(以下、GCSY)に、「Rakuten Global Scholars」と銘打った楽天が提供する奨学金枠を設け、同プログラムへの参加を希望する海外の高校生を支援する。

楽天とGCIは、ルワンダ、エチオピア、ナイジェリア、イラン、フランス出身の5名の高校生をすでに選出しており、彼らの現地滞在費やGCSY授業料などの費用を楽天が提供する。同プログラムでは、楽天が支援する5名を含む世界各国から集まった全24名の高校生が、世界各地で直面している緊迫した課題について議論を重ね、グローバルにおける課題解決のスキルを磨く。

楽天が支援する高校生たちのサマープログラムにおける活動は、専用ウェブページにレポートとして掲載するとともに、彼らが各国に帰国した後の活動についても紹介する予定。なお、同高校生たちには、プログラム中に授業外でも意見交換や協力が随時できるように、楽天の子会社であるバイバー・メディアが提供する無料通話・メッセージアプリ「Viber」の利用を提案する。参加者同士が、プログラム終了後もつながり、帰国後もコミュニケーションが継続することを期待しているという。

また、楽天は、国内の取り組みとして今秋に「ETIC.」と連携し、国内の大学生を対象にした奨学金プロジェクトを立ち上げる。具体的には、10月に派遣先がNPO法人となる奨学金付きのインターンシップの募集受付を開始し、来年2月には国内の様々なNPO法人に大学生を派遣する予定。