TANAKAホールディングスは7月29日、田中貴金属グループの製造事業を展開する田中貴金属工業とメムス・コアが共同開発契約を締結し、田中貴金属工業が開発したサブミクロンサイズの金粒子を用いたMEMSデバイスへのパターン形成技術において技術提携することを発表した。

これにより、田中貴金属工業は、従来自社で保有していたサブミクロン金粒子のパターンニング技術と設備をメムス・コアに移管し、メムス・コアは11月1日より、サブミクロン金粒子によるパターン試作の製造や、MEMSメーカーに対する封止実装の受託を開始する。メムス・コアは、田中貴金属工業から金粒子パターンニング技術移管を受けることで、金粒子封止実装の根幹となるプロセス技術を獲得し、今後、田中貴金属工業との共同開発事案を推進することで、MEMSデバイスの技術・製品競争力を強化する。

また、田中貴金属工業は、事業領域として金粒子の材料提供を選択し、材料の改良や開発に集中することで、さらなる製品の高付加価値化を目指す。両社の共同開発体制により、MEMS開発におけるファブ機能を有する実装拠点が構築され、今後はMEMSメーカーに対し、材料開発からデバイス実装まで、一貫した製品提供が可能となる。

同ビジネスモデルの構築により、顧客であるMEMSメーカーは、自社製品の開発と生産性向上に集中することができる。同時に、デバイスの高機能化により、ウェハレベルパッケージング(WLP)の実装コストが上昇している状況において、金粒子封止技術における試作・実装委託先が確保できることは、MEMS製造に関する新たな実装設備を保有するコストの削減につながる。また、今後さらなる拡大が予想されるMEMS市場において、技術開発スピードが加速することが期待されるとコメントしている。

サブミクロン金粒子ペースト「AuRoFUSETM」を8インチシリコンウェハ基板上に200μm幅で印刷した封止枠の外観