IDC Japanは7月29日、2013年における国内システム/ネットワーク管理ソフトウェア市場規模実績と2018年までの市場規模予測を発表した。

これによると、2013年の国内システム/ネットワーク管理ソフトウェア市場規模は、前年比6.7%増の3,095億6,9000万円となった。2013年から2018年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は3.8%で成長し、2018年には3,733億円に達すると同社は予測している。

国内システム/ネットワーク管理ソフトウェア市場(売上額予測) 資料:IDC Japan

2013年の同市場は仮想化の導入を契機とした運用自動化に対する需要が増加し、これまでデータセンター事業者での導入が中心だった運用プロセスの自動化ツールが製造業など一般企業にも浸透していったことで、2012年を上回る成長率を達成したという。また、官公庁や金融での大型案件が増加したことも市場成長に寄与した。

市場構成比で約30%を占めるワークロードスケジューリング/オートメーションソフトウェア市場が前年比7.0%増となり、市場成長を牽引した。同市場の大部分を占めるジョブスケジューリングの売上が堅調に伸びたことに加え、プロビジョニング自動化のような運用プロセスを自動化あるいは最適化するソフトウェアが情報システム子会社を含む大手企業において導入が拡大した。加えて、大規模なサーバ/ネットワーク環境に対する障害イベント監視やパフォーマンス管理の刷新も増加した。

また、4月にサポートが終了したWindows XPの移行に伴い、IT資産管理ソフトウェアの見直しや新規導入も増加し、システム変更/構成管理ソフトウェアが前年比9.8%増と非常に好調だったという。

ベンダー別の売上額シェアでは、JP1の日立製作所とSystemwalkerの富士通が共に24.4%で首位タイに。昨年2位だった富士通は製造業や公共での大型案件の増加、仮想環境向け運用管理ソフトウェアの販売が拡大し、昨年首位の日立製作所と同等の順位となった。

第3位以降はNEC、IBM、野村総合研究所と続く。第6位のマイクロソフトと第8位のヴイエムウェアは、自社の仮想化ソフトウェアと組み合わせて仮想環境向け管理領域で実績を伸ばしており、20%以上の成長を達成した。

2014年の同市場は前年比4.3%増、2013年から2018年のCAGRは3.8%になると予測されている。仮想環境あるいはクラウド環境に対する運用管理システムの整備が本格化し、運用プロセスの自動化を実現するソフトウェアを中心に成長が継続し、管理対象はオンプレミス型システムだけではなく、クラウドサービスやその上で構築されたシステムにまで拡大していくと、同社は見ている。