アルプス電気は7月29日、車室内の操作に最適な、車載向けのタクトスイッチ静音ミドルストロークタイプ「SKST」シリーズを発表した。

自動車には、"快適・安全"に寄与するさまざまなスイッチが搭載されている。例えば、センターコンソールに配置されるエアコンやオーディオの操作、ステアリングに配置されるドアミラーやハンズフリー通話の操作などはその代表的なものである。これらのスイッチには、温度や振動など厳しい車室内環境への対応はもちろん、高級感や各自動車メーカーのイメージに適した統一感のある音、フィーリングも求められる。また、エンジン音のない電気自動車では、静かな車室内を保つことが求められるなど、スイッチの静音かつ好フィーリングも快適な車室内環境づくりの重要な要素の1つとなっている。

これらの市場ニーズに対し、同製品は、4Nの重作動力かつ50万回の長寿命タイプでありながら、静音化と好フィーリングを両立したことで、快適な車室内機器の操作環境を実現する。また、同製品がもつ好フィーリングは、長年培ってきた機構設計技術を生かし、形状や材質を最適化したメタルコンタクトと、製品内部構造を工夫したことによる0.9mmのミドルストロークにより創出されている。そして、このメタルコンタクトと、ラバーステムと組み合わせることで、さらに操作音の静音化を可能にしている。加えて、プリストロークを従来品より延長したことで、スイッチノブの垂直方向の取り付け自由度が高まり、組み込みやすさに寄与する。

なお、サンプル価格は200円。7月より量産を開始し、2015年4月には月産300万個体制を構築していく予定。開発は同社 技術本部 古川工場(宮城県大崎市)、生産は同社 生産本部 角田工場(宮城県角田市)にて行われている。

車載向けのタクトスイッチ静音ミドルストロークタイプ「SKST」シリーズ