日本の伝統芸能とロックを融合させた男女8人組グループ・和楽器バンドが27日、東京・渋谷のduo MUSIC EXCHANGEで単独ライブ「ボカロ三昧大演奏会」を行った。チケット800枚に対し、数千人の応募が殺到。オークションサイトでは1枚4,000円のチケットが、ペアチケットで最高5万8,000円まで高騰したという。

人気急上昇中のグループ・和楽器バンド(左からいぶくろ聖志、山葵、亜沙、神永大輔、鈴華ゆう子、町屋、蜷川べに、黒流)

この日のライブはオリコン週間チャートにて初登場5位を獲得したデビューアルバム『ボカロ三昧』(4月23日発売)の収録曲のすべてを披露。演奏曲の殆どが「千本桜」「カゲロウデイズ」「六兆年と一夜物語」といった人気ボカロ楽曲のカバーで固められ、大胆な和風アレンジが施された馴染みの楽曲に客席はヒートアップ。カバー曲以外にも、同バンドの真骨頂である「三味線×和太鼓バトル」「ドラム×和太鼓バトル」の演出でさらに会場を盛り上げた。ボーカル・鈴華ゆう子は「まだまだ私たちは始まったばかり。これからも私たちに付いて来て!」と観客に呼びかけ、アンコールでは「華火」(8月27日発売)を初披露した。

同バンドは、詩吟の師範であり、シンガーソングライターやピアノ演奏者としても活動しているボーカル・鈴華ゆう子を中心に、昨年4月にデビュー。鈴華は「ミスニコ生2011」に選ばれたこともあり、同バンドメンバーの箏・いぶくろ聖志、尺八・神永大輔とは2012年から「華風月」としても活動している。そのいぶくろは高校在学中から海外公演に参加するほどの実力の持ち主。神永は18歳から尺八をはじめ、都山流尺八師範となり"耀山"の号を授かった。

そのほか、津軽三味線・蜷川べには、4歳から津軽三味線、民謡をはじめ、動画サイトへアニソン、ボカロ曲の"演奏してみた動画"をアップし注目される存在に。和太鼓・黒流は3歳より和太鼓に触れ、9歳で和太鼓プロ集団に入門。その後独立しさまざまなアーティストとコラボする傍ら、東京都教育委員会主催「東京都高等学校文化祭・郷土芸能部門・中央大会」の審査員も務めた。Guitar・町屋は"演奏してみた"で人気のギタリストで、Bass・亜沙はボカロPとしても同じくニコ動で人気。Drums・山葵は15歳よりドラムをはじめ、ロック・ポップスのみならずダンスや演劇とのコラボも経験。黒流とのコンビネーションは、同バンドの名物パフォーマンスとなっている。

これまでYouTubeで公開されたミュージックビデオ等の再生数は「月・影・舞・華」が約100万回、「六兆年と一夜物語」が約58万回、「天樂」が約325万回、「千本桜」が約730万回を記録。コメント欄には海外からもメッセージが多数寄せられ、今月5日(パリ現地時間)にフランスのパリ郊外で行われた「第15回JAPAN EXPO」でもその人気の高さがうかがえた。当日はヨーロッパ各国から集まった約4,000人のファンがステージ前に押し寄せ、"和ロック"に熱狂。中には日本語の歌詞を一緒に口ずさむ熱狂的なファンもいたという。

8月27日発売の新曲「華火」は、同バンド待望のオリジナル曲。チケット価格が急騰した「ボカロ三昧大演奏会」は追加公演を望む声が数多く寄せられたことから、新曲発売日と同日に東京・赤坂ブリッツで「ボカロ三昧大演奏会PREMIUM ENCORE」として開催される予定となっている。

2014年7月27日に行われた単独ライブ「ボカロ三昧大演奏会」

「第15回JAPAN EXPO」でのライブ