日本機械学会は7月24日、2014年度機械遺産として8件を認定したと発表した。8件の中には、「初代グランドセイコー」や「フジ自動マッサージ機」が含まれる。

「機械遺産」とは、機械技術の歴史を示す具体的な事物・資料であり、機械技術の「発展史上」重要な成果を示すもの(工学的視点から)、または、「機械技術で「国民生活、文化、経済、社会、技術教育」に対して貢献したもの」に合致するもの。

認定対象は、「Site:歴史的景観を構成する機械遺産」「Landmark:機械を含む象徴的な建造物・構造物」「Collection:保存・収集された機械」「Documents:歴史的意義のある機械関連文書類」の4つのジャンルに分類できる。

機械遺産第62号に選ばれたのは「『土の館』―北海道の土作りとトラクターの博物館― 」だ。同施設は、トラクターや機械式農機具を中心とし、その系統だった保存展示を行っている。80台に上るトラクターは、導入した地域・営農者、使用、館への寄贈・寄託の経緯が記録されており、国内の他地域とは根本的に異なる北海道の大規模営農変遷史の機械面からの証人となっているという。

機械遺産第62号に選ばれた「土の館」―北海道の土作りとトラクターの博物館―

機械遺産第63号に選ばれたのは「農機具『資料館』―農業機械黎明期の機械と史料の博物館― 」だ。同資料館は、農研機構生研センター(農業機械化研究所)の施設。

日本の農業の機械化を国家的事業として担った旧農林省の農事試験場(鴻巣試験地)が、農機具の開発改良のために購入した外国機、さらに性能の比較研究をした国産機など、約250点が保存展示されている。

機械遺産第63号に選ばれた「農機具『資料館』―農業機械黎明期の機械と史料の博物館― 」

機械遺産第64号に選ばれたのは「『清水港テルファー』―日本の貨物輸送を支えた港湾機械―」だ。テルファーとは荷物を吊り上げて水平レールに沿って移動させるクレーンの一種で、清水港テルファーは1928年に完成し、テルファー形式の木材荷揚げ機械としては現存唯一のものだという。

機械遺産第65号に選ばれたのは「南極点到達雪上車(KD604,KD605)」だ。雪上車KD604とKD605は、日本の南極観測史上、最初で最後となる第9次南極観測隊の極点往復プロジェクトで、1968年12月19日南極点に到達した雪上車3台のうち2台とのこと。

機械遺産第65号に選ばれた「南極点到達雪上車(KD604,KD605)」

機械遺産第66号に選ばれたのは「時代を画した国産腕時計」だ。具体的には、セイコーミュージアムが所蔵する「ローレル12型」「初代グランドセイコー」「クオーツ アストロン 35SQ」が選ばれた。

「ローレル12型」は1913年に発売された国産初の腕時計、「初代グランドセイコー」は1960年に発売され、当時世界最高とされたスイスクロノメーター優秀規格と同等の高精度を実現した腕時計、「クオーツ アストロン 35SQ」は1969年に発売された世界初のクオーツ式腕時計。

機械遺産第65号に選ばれた「ローレル12型」「初代グランドセイコー」「クオーツ アストロン 35SQ」

機械遺産第67号に選ばれたのは「国産機械『門形平削り盤』―工部省赤羽工作分局製― 」だ。平削り盤は、テーブルを水平往復運動させ、バイトをテーブルの運動方向と直角方向に間欠的に送って、主として平面削りを行う工作機械で、門形平削り盤は、1879年に工部省赤羽工作分局で製造された。

機械遺産第68号に選ばれたのは「フジ自動マッサージ機―世界初の量産型マッサージチェアー」だ。これは、フジ医療器製作所(現フジ医療器)を創業した藤本信夫氏が1954年に作った世界初の量産型マッサージチェアーの第1号機になる。タイル掃除用ブラシを製造販売していた藤本氏が、銭湯で専門職の手を使わず気軽にマッサージできる機械を作りたいという思いから誕生したとのこと。

機械遺産第68号に選ばれたのは「フジ自動マッサージ機―世界初の量産型マッサージチェアー」

機械遺産第69号に選ばれたのは「国産機械製造の礎『国産機械図集』」だ。同書は、"国産品に対する正確なる知識を一般技術者に周知し、国産愛用の念を起さしめ国産愛用促進につなげること、機械工学教授上の参考図となること"を目的に出版された。