ヨコオは7月17日、マイクロ波・ミリ波帯デバイスとして、フレックス積層基板技術による「中空構造パッケージショットキーバリアダイオード(SBD)」を発表した。

道路の交通監視や建物の侵入検知などに使われているマイクロ波帯からミリ波帯を用いたセンシング機器や通信機器などでは、GaAsなどの高速半導体デバイスが使用されている。一般的に、ミリ波帯のデバイスでは、僅かな寄生容量でも性能が損なわれるため、ベアチップのデバイスが使われるが、ベアチップのフリップチップボンディング技術を有するユーザーしか使いこなせないという問題があった。そこで、低損失なポリイミド基板を使用した低容量の中空構造パッケージを新規に開発することで、ハンドリングが容易なマイクロ波・ミリ波帯パッケージデバイスの製品化に成功した。これにより、センシング機器の検波用途における検知感度が高く、また、通信機器のミキサー用途、送受信モジュールスイッチ用途などにおいても高性能を得ることができるという。

具体的には、「中空構造パッケージSBD YSD040SLPP01」は、40GHzまで使用可能なGaAsシングルチップのパッケージデバイスで、低損失・低容量の中空構造パッケージの採用により、実装性に優れたマイクロ波・ミリ波帯SBDを実現。表面実装型の小型フラットな外形で、取り扱いや実装が容易である。

また今回、「ベアチップSBD」もラインナップされている。「ベアチップSBD YSD080SLBD01」は、80GHzまで使用可能なベアチップデバイスで、GaAsをベースとし、電極パッドを大きくし、容易なフリップチップボンディング性能を実現している。「ベアチップSBD YSD110SLBD01」は、110GHzまで使用可能なベアチップデバイスで、GaAsをベースとし、ショットキー接合部の構造最適化を行い、低抵抗・低容量を実現している。

今後、ダイオードを複数搭載した製品の開発を推進し、2015年6月には、パラレル型、アンチパラレル型の製品リリースを計画している。

「中空構造パッケージSBD YSD040SLPP01」、(左)表面、(右)裏面、サイズは1.2mm×1.6mm