Chromium OSチームが「Project Athena」という名称で開発しているユーザーインターフェイス(UI)のスクリーンショットを、Chromium EvangelistであるFrançois Beaufort氏が公開した。

Beaufort氏は過去にChromeに関するいくつもの重要な機能をスクープし、その洞察力が認められて昨年からChromium Evangelistとして活動することになった。Project Athenaは実験的なプロジェクトであり、公開されたスクリーンショットもアイコンにダミーが使われているような初期的なものだが、Beaufort氏が取り上げたことは将来Chrome OSに採用される可能性を示す。

公開されたAthenaのUIはナビゲーション画面と思われるもので、Chromeのタブがカードスタックで重なっている。手前のカードは、検索ボックスを備えたアプリランチャーになっているようだ。右上にバッテリーインジケータとネットワークステータスが配置されている。現時点でAndroid Lと呼ばれている次期Androidのマルチタスク用のUIに似ており、GoogleがGoogle I/O 2014で発表した新しいデザインガイドライン「Material Design」に従ったデザインになりそうに見える。

現在のChrome OSのUIはWindowsデスクトップに近い。GoogleのPixelやAcerのC720など、すでにタッチスクリーンを搭載したChrome OSデバイスが存在するものの、既存のノートPCスタイルのChrome OSデバイスはキーボードとトラックパッドの方が操作しやすい。AthenaはAndroidに近いタッチ操作に適したUIであり、過去に何度か噂になったChrome OSタブレット用のUIとも考えられる。Ars TechnicaのAndrew Cunningham氏は、GoogleがChrome OSデバイスをより自然にタッチ操作できるものに変えようとしていると指摘する。Google I/O 2014でAndroidアプリをChrome OSで動作させるベータ機能のデモを公開しており、今後AndroidとChromeの融合を進める上で、Chrome OSのタッチ操作対応の強化に乗り出していると見る。