富士フイルムメディカルは7月15日、子会社の富士フイルムメディカルITソリューションズと共同で、病院内の各診療システムで管理されている診療データを1つのプラットフォームに集約し表示できる次世代統合プラットフォーム「CIS(Clinical Information System)ワークステーション(仮称)」を開発したと発表した。

医療現場においては、医療の質向上に向け、患者の診療情報や診察プロセスの全体像を、医師や医療スタッフが容易に把握できる環境が求められている。しかし、検査画像やバイタル情報、処方などの各種診療データは、各診療部門のシステムで分かれて管理されていることが多く、患者ごとに必要な診療情報をまとめて取り扱うには複雑な操作が必要であったり、診療プロセスについては、病院情報システムや電子カルテを介する必要があるなど、煩雑なものが多かった。

同プラットフォームは、病院内の各診療システムで管理されている診療データを1つのプラットフォームに集約して表示することを可能とするもので、診療プロセスを容易に把握できる「目的別患者リスト」機能により、医師や医療スタッフが「入院予約患者」「特定の病名がついている患者」などの条件を複数設定することで、目的の患者もしくは患者群を特定し、患者ごとの診療プロセスの進捗状況を検索・表示することができる。

また、患者リストやメール、カレンダー/スケジュールなどの業務機能をはじめ、検査画像や所見レポート、心電図、3D画像、動画などの患者の診療情報を別々の機能別フレーム(メディカル・ガジェット)として、ディスプレイ上に自由にレイアウトして閲覧者ごとのポータル画面を作ることが出来るため、横断的な診療ワークフロー環境を構築することが可能となっている。

なお、同社の医用画像情報システム「SYNAPSE」や生体情報システム「Prescient」、医療向け3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」、内視鏡情報管理システム「NEXUS」などとの連携が可能なほか、一般的なWebシステムや他社のシステムとの連携も可能だという。

システムの概念図