近年、各地で集中豪雨が頻繁に発生し、冠水によって車両が立ち往生し、ドアが開かず車内に閉じ込められる被害も起きていることから、JAFはこのほど、「車両水没」をテーマとするテストを行い、その危険性と脱出方法を検証した動画をホームページに公開している。

水没車両からの脱出方法を検証

このテストは、アンダーパスの冠水路に進入した車両が停止してしまったことを想定し、後輪が浮いている状態と完全に水没した状態で、セダンの運転席ドアとミニバンの後席スライドドアが開くか、水深を変えながら検証。車内にありそうなもの5点と脱出用ハンマー3点で窓を割ることが可能かテストし、ドアも窓も開かない場合の脱出方法として適切な道具についても検証した。

ドアを開けるテストについては、後輪が浮いている状態だと、水圧のためにすべての水位でドアを開けることができなかった。意外なことに、ミニバンのスライドドアでも開けることができない。しかし、完全に水没した状態では車内に水が入っているため、車内外の水位差が小さくなり、セダン、ミニバンともにドアを開けることができた。

窓を割るテストでは、ヘッドレスト・小銭を入れたビニール袋・スマートフォン・ビニール傘・車のキーのいずれも割ることができなかった。対照的に、脱出用ハンマー3点はすべてガラスを割ることができた。なお、フロントガラスはフィルムが入っているため、脱出用ハンマーでも割ることはできない。

JAFは、大雨の中で冠水路で車が止まってしまった場合、水没車両から脱出することが困難になることもあるので、安易に冠水路に入らないように呼びかけている。万が一、車両が水没した場合、ドアや窓が開かない状況に備えて、脱出用ハンマーを車内の手の届くところに常備しておくことが大切だとしている。