俳優・佐藤浩市と女優・樋口可南子が初めて夫婦役を演じる映画『愛を積むひと』が、2015年に公開される。

映画『愛を積むひと』の主要キャスト(上段左から樋口可南子、佐藤浩市、北川景子、下段左から吉田羊、野村周平、杉咲花、柄本明)

原作はエドワード・ムーニー・Jr.の『The Pearls of The Stone Man』で、2004年に『石を積む人』として出版され、翻訳本としては異例のロングセラーを記録している。この海外原作の舞台を北海道・美瑛に移し、『釣りバカ日誌』シリーズや『武士の献立』などで知られる朝原雄三監督が映画化する。

第2の人生を大自然に包まれた美しい土地で豊かに過ごそうと、北海道に移り住むことにした夫婦・篤史と良子。仕事人間から仕事がなくなり、暇を持て余していた篤史に、良子は長年の憧れでもあった家の周りの石塀作りを頼む。しかし、ある日突然、良子が心臓病により亡くなってしまう。悲しみにくれる篤史のもとに届いたのは、自分の最期を悟っていた良子からの手紙。そのことをきっかけに、篤史は周りの人の人生に関わりながら石塀作りに励む。良子を思いながら1つ1つ積み上げた石に、それぞれの人間ドラマが重なっていく。

仕事一筋で生きてきた実直で不器用な主人公・篤史を演じるのは佐藤浩市。篤史の妻で心臓の病を抱えながらも陽気でしっかり者の良子を、7年ぶりの映画出演となる樋口可南子が演じる。また、篤史と良子の一人娘・聡子役に北川景子、篤史の家の石塀作りを手伝う青年・徹役に野村周平、誰にも言えない秘密を抱える徹の恋人・紗英役に杉咲花、娘の将来を心配する紗英の母・美智子役に吉田羊。そして、頑固一徹な紗英の義父・熊二役を柄本明が務める。

主演の佐藤は「人はながく生きると鈍感になっていく部分があり、恐らくその最たるものが夫婦という人間関係だと思います」と語り、その関係性を「側に居る事が当たり前で、横を見るとそこに居る人。それがどれだけ自分の一生に大切な存在なのか…」と表現。公開に向けて、「久しぶりに御一緒させていただく樋口可南子さん、並びスタッフキャストと人と人の鎹(かすがい)となる映画にしたいと思います」と意気込んでいる。

一方の樋口は「50代半ばで、この役と向き合えることを幸せに思います」と喜びを伝え、「北海道の美瑛の美しい丘や山に囲まれた場所で役をしっかり生きたいです」とコメント。2度目の共演となる佐藤の印象を「シルバーグレーの髪の色が似合い、渋くて、ますますかっこ良くなられたと思います」と振り返り、「夫婦でしか積み重ねられない大事なものを、浩市さんと探し、作りあげたいです」と意欲を示していた。