ドキュメンタリーチャンネル「ディスカバリーチャンネル」では、誰もが疑問に思ったことのある噂を過激に徹底検証する番組が存在する。今年で日本10周年を迎える長寿シリーズ『怪しい伝説』(毎週土曜23:00~24:00)。12日放送の第207回は「ゾンビ」についての検証実験が放送される。

斧と銃、どちらの方がゾンビを多く倒せるのか?

メインホストを務めるのは、フリーの特殊効果マンでカウボーイハットがトレードマークのアダム・サベージと、化学や物理学や工学等をはじめとした諸分野に幅広く精通し口ひげにベレー帽が特徴のジェイミー・ハイネマンの"伝説バスターズ"コンビ。2人は、さまざまなカテゴリーの噂や神話を885以上の実験で検証し、撮影テープは7,200時間、爆発実験は815回を超える。

左からジェイミー・ハイネマン、バスター君(衝突実験に使われているダミー人形)、アダム・サベージ

今回の「ゾンビスペシャル」では、ゾンビにまつわる3つの検証を行う。まずは「斧か銃のどちらがゾンビを倒すために最適な武器か」。アダムは斧、ジェイミーは銃を使用。集められたゾンビのエキストラ100人は、特殊メイクに加え頭部をプラスチック製のマスクで覆い、ジェイミーはペイント銃でその頭を狙う。一方のアダムはグリーンのペイントが仕込まれたスポンジ製の斧で同じく頭を狙い、脳味噌が飛び散る演出としてゾンビの額にそのペイントが付く。

直径9メートルの円が"人間ゾーン"で、ゾンビの群れはその円に向かってゆっくり歩いてくる。アダムとジェイミーには「ゾンビが境界線を超えるまで攻撃できない」、ゾンビ側には「ゆっくりと動く」というルールを設定。さらに、アメリカの人気ゾンビドラマ『ウォーキング・デッド』のメルル役でおなじみの俳優・マイケル・ルーカーが"ゾンビの撃退法"をレクチャーするというこだわりぶり。ルーカーはリアリティを追求し、ゾンビ側にも「ゾンビは一体一体に特徴がある」「それぞれ自分のスタイルを」「もっとゾンビらしく!」と熱心に演技指導していた。

そして、いざ本番。まずは斧のアダムが位置につく。ジェイミーの「アーユーレディ?」に唸り声をあげるゾンビたち。アダムも「イエッサー!」と気合十分で斧を構え、100人のゾンビたちは合図のブザーと同時に円に向かって集まりはじめる。最初は、奇声を発しながら見事に斧を命中させていたアダムだったが、次々に円内に入ってくるゾンビを処理できなくなり、最後は「うわー!」と餌食に。結局、倒せたのはわずか13体で、2度目の挑戦も15体という結果に終わった。

ジェイミーもアダムも最初は威勢がよかったが…

今度は、ペイント銃のジェイミー。ところが、シングルアクション式の銃は1体を倒すまでに時間がかかってしまい、あっという間に囲まれてしまう。ジェイミーは25秒の短い命で、仕留められたのはわずか6体。その反省をふまえ、手に1丁、足と肩と腰に2丁の重装備でゾンビの2倍の弾を用意し、リベンジに挑んだ。前回よりも好調な滑り出しに見えたが、あっさりと形勢が逆転。倒したゾンビをバリケード代わりにする作戦だったが、最終的にはそのゾンビにつまずいてしまうという失態をおかしてしまい、結局倒せたのは8体。発射した弾は8発だった。

ゾンビに演技指導するマイケル・ルーカー

そのほか、「走っている人間にゾンビは追いつくことができるのか」の実験では、90メートル×50メートルエリアにゾンビ150人を集結させ、人間役となる3人がそれぞれ背中に"脳味噌"を付けて逃げ切れるかを検証。試行ごとに人口密度を変え、究極のゾンビ地獄からの脱出の可能性を追求する。また、ホラー映画でのお決まりのシーンの1つといえば、主人公たちが逃げ込んだ部屋の扉が大勢のゾンビたちによって破壊される場面。チームワークのないゾンビたちは本当に扉を破ることができるのか。扉の材質を変えながら、人間との真剣勝負が繰り広げられた。

100体のゾンビには本格的な特殊メイクも施されている