NECは7月11日、埼玉県立がんセンターの新病院に、最新のICTシステムを納入したと発表した。

埼玉県立がんセンターの新病院は、旧病院から約400mの距離に新設され、503床へ増床。全館を無線LANに対応させた高速で大容量通信が可能な統合ネットワークを構築し、電子カルテ・IP内線・ナースコール・看護支援・患者呼出などの病院内の各種システムの統合利用が可能となった。

新病院のホスピタルストリー

また、スマートフォンを活用した病院スタッフ間のコミュニケーションやNECが新規開発した「患者呼出システム」により、外来患者に対する受付から会計までの円滑な案内や、待ち時間の快適化を実現しているという

新病院に導入したICTシステムは、無線LANのアクセスポイントを全館に展開するとともに、データ系と音声系をIPネットワークで統合。これにより、病院スタッフは、内線通話・ショートメール・看護支援システム(3点認証やバイタル入力)・ナースコール・生体モニタとの連携の利用を1台のスマートフォンで実現する。

新病院統合ネットワーク構成図

呼出受信機と自動発行機

「患者呼出システム」は、 受付時に携帯用の呼出受信機を患者に渡し、電子カルテシステムと連携することで、診察の順番待ち状況などの案内メッセージを適切なタイミングで画面に表示する。同がんセンターは、小型・軽量(本体約100g)・大画面で、簡単操作を実現した呼出受信機を1000台、受付時に自動で呼出受信機を払出す自動発行機を3台導入。また、患者がメッセージを確認した時間や位置情報を電子カルテの画面で確認できるため、診察室の場所を間違えている人にメッセージを送信して誘導するなど、スムーズな案内が可能。これにより、患者は診察の待ち時間を院内のアメニティスペースで過ごすことができるようになった。

呼出受信機の運用例

NECは、埼玉県立がんセンターに納入した患者呼出システムを、他の医療機関向けにも販売。システムは、患者一人ひとりが院内で利用する「呼出受信機」、受付時に呼出受信機を自動で払い出す「再来受付自動発行機」、電子カルテなどのシステムとの連携し呼出受信機を制御する「呼出管理装置/呼出制御装置」、患者情報と患者呼出システムを連携させるための初期設定を行う「受信機発行登録装置/初診用受信機発行機」で構成される。

価格は、呼出受信機500台、再来受付自動発行機2台、呼出管理装置/呼出制御装置1台、受信機発行登録装置/初診用受信機発行機1台の場合で8,950万円から (別途、電子カルテ連携のためのSI費、ネットワークインフラが必要)。