商船三井は9日、ロシア・ヤマルLNG(液化天然ガス)プロジェクト向け輸送に参画し、2018年から北極海航路を使ったLNGの商業運航を実施すると発表した。

同社はこのほど、中国海運(集団)総公司と合弁で設立した船主会社を通じ、ヤマルLNGプロジェクト向け輸送に参画。同プロジェクトは世界で初めて北極海航路を通年の定期航路として利用するもので、同船主会社は2014年7月8日、韓国のDaewoo Shipbuilding & Marine Engineeringと新造砕氷LNG船3隻の造船契約を締結した。

同プロジェクトに使用される砕氷LNG船は、最大氷厚2.1メートルの氷海において単独砕氷航行可能な仕様となっており、ロシア・ヤマル半島サベッタ港のヤマルLNG基地から、通年にわたり世界各地への輸送に従事する。また、夏季には北極海航路を経由して東アジア向けに運航されるという。

ヤマルLNGプロジェクト トレーディングルート イメージ図

砕氷LNG船の概要は、全長299メートル、幅50メートル。船型は17万2,000立方メートルメンブレン型。アイスクラスはロシア船級 ARC7、極寒地を対象とした特別仕様となる。砕氷航行能力は船首砕氷バウ構造、船尾3軸PODプロペラ 最大砕氷能力氷厚2.1m(後進時)。

三井商船は同プロジェクトへの参画を通じて、北極海航路運航のために必要なノウハウおよびリソースを蓄積し、海上輸送サービスの一層の充実と拡大に取り組んでいくとしている。