米Lam Researchは7月7日(米国時間)、コンダクタエッチング装置「2300 Kiyo F Series」とALD装置「VECTOR ALD Oxide」を発表した。

半導体メーカーは、光リソグラフィの制限の補正のために、二重および四重パターニングスキーマを使用している。これらの技法では、目標の寸法にするためにリソグラフィ/エッチング/蒸着ステップを組み合わせて繰り返し、大型の密度の少ないパターンを印刷してから、サイズとスペーシングを縮小することで、単一パターニングで可能なサイズよりも、小型の機構を作成することができる。しかし、プロセスステップ数が増加することで、各ステップごとに全体の不均一性が高くなり、変動の問題が深刻化する。このような複合効果があるため、デバイスを意図した通りに機能させるには、エッチングと蒸着の変動許容度を厳しくする必要がある。また、変動によりデバイス性能、消費電力、および歩留りに影響が出て、再作業によるコストと時間の無駄が発生する場合があるので、プロセス制御は不可欠である。さらに、プロセスステップの追加による生産コストの増加を軽減するには、変動制御に加えて、高い生産性も必要である。

コンダクタエッチング装置「2300 Kiyo F Series」は、受け入れるウェハに存在する限界寸法(CD)の不均一性の修正にHydra技術を使用して、パターニング変動に対応している。また、システムの対称なチェンバ設計により、本質的に均一なエッチングプロセスが可能となる他、Hydra技術により個所を特定した修正を行って、さらに均一性が向上する。同技術では変動を低減して、上流プロセスでの変動を補正するために、プロプライエタリなハードウェアとソフトウェアを使って、受け入れたCDをマッピングし、ウェハ全体の中から局所的にエッチングプロセス条件を調整できる。

ALD装置「VECTOR ALD Oxide」は、原子スケール蒸着を活用して、均等な厚さで反復性が高く欠陥率の低い、コンフォーマルな膜を提供する。これらの機能は、後のステップのために堆積膜をマスクにし、重要なパターン寸法を定義するスペーサベースの複数パターニングアプローチに欠かせない。また、低温で膜を蒸着できるので、さまざまな素材上でスペーサを形成できる。さらに、ハードウェア設計により高速ガススイッチングが可能になり、競合システムよりも高い生産性を発揮する。