冷凍食品は買い置きができ、調理の手間を省いてくれる便利な食品。もちろんその通りではあるが、最近の食卓では、技術革新によっていちだんとおいしく使いやすくなった冷凍食品をポジティブに活用しているとのこと。「楽しい食卓を演出しよう!」「プチ贅沢気分を楽しもう!」そんな利用法がトレンドになっているようだ。

冷凍食品のポジティブ活用術の一例「チーズのせピラ」

冷凍食品は「保存」から「積極活用」の時代に

トレンド総研が「冷凍食品を好んで利用している」30~40代の主婦500名を対象に実施した『冷凍食品の利用実態調査』によれば、冷凍食品は「お弁当(79%)」、「夕食(65%)」、「昼食(57%)」、「間食(34%)」、「朝食(27%)」と、あらゆる食事シーンで利用されていることがわかった。

「冷凍食品の利用頻度」は「1週間に1度以上」という人が93%にものぼり、「毎日(10%)」、「ほぼ毎日(18%)」という人もいるほど。こうした高い利用頻度は、冷凍食品の利用シーンの広がりによるところが大きいのではないだろうか。

さらに注目すべきは、冷凍食品の活用法。今、家庭では、冷凍食品をそのまま利用するだけでなく、一手間、一工夫を加える"アレンジレシピ"の試みが当り前のように行われている。

同調査でも、「冷凍食品のアレンジレシピの利用意向」を尋ねたところ、「利用したいと思う」と答えた人が81%にも達した。また、「冷凍食品にトッピングを増やしたり(ちょいのせ)、オリジナルつけダレを合わせたりする」といった方法は41%もの人が「行ったことがある」と答えている。

「冷凍食品を組み合わせて作ったワンプレートランチ」は37%、「冷凍食品を活用した"キャラ弁"などのオリジナル弁当」は30%が作ったことがあるとの回答。自分なりの工夫をこらした冷凍食品活用術は、主婦たちにとってはすでに当り前の調理ノウハウになっているようだ。

調査では、「冷凍食品を利用する理由」についても尋ねており、最も多かったのは「簡単におかずを増やすことができるから(84%)」という回答。これは「調理の手間を省くため(79%)」、「買い置きができるため(72%)」という従来の目的を上回り、冷凍食品を使って満足度の高い食卓を実現しようという意向が伺える。

冷凍食品の購入動機においても、「保存食派(46%)」よりも、すぐの利用を前提とした「食卓用派(54%)」が多数派を形成している。この数字も、今日の食卓をおいしく楽しいものにしようと、主婦たちが冷凍食品のポジティブ活用を始めていることを物語っているのではないだろうか。

「今日のおいしい食卓」のための冷凍食品

ここで気になるのが、こうした冷凍食品をめぐる市場の変化を冷凍食品メーカーはどのように受け止めているのかということ。興味を抱いた記者は、"のせピラ"など冷凍食品アレンジレシピの提案を積極的に行っている、味の素冷凍食品 家庭用事業部の保崎光次さんに話を聞いてみることにした。

――家庭で、冷凍食品の利用法に大きな変化が起こっているようですね。

「私どもも、冷凍食品がストックからフローへと利用法が大きく変わりつつあると認識しています。簡単便利な保存食(ストック)としてではなく、"今日の食卓"のために冷凍食品を積極的に活用する(フロー)という変化です。

冷凍食品市場は、2008年度から2013年度までで125%も大きく拡大しました。"家庭の食卓で食べる"ための冷凍食品の市場を私どもは食卓市場と呼ぶのですが、この食卓市場に限ると、134%もの著しい伸張を見せているほどです。

3年前の東日本大震災以降、日本人の食生活に変化が生じ、内食志向が強まりました。また、テレビのバラエティ番組などでも冷凍食品の特集が何度も取り上げられ、食べて頂くきっかけになりました。『実際に食べてみたらとてもおいしかった』という、冷凍食品に対するそんな気づきがあり、リピーターが拡大したことが市場拡大の一要因と思われます」

――なぜ、そうした大きな変化が起こっているのでしょうか?

「メーカーの素材へのこだわり、製造技術の革新などによって、冷凍食品は"本物のおいしさ"を実現できるようになりました。その"本物のおいしさ"を、消費者の方に実感していただけ始めたことが一番の理由だと思います。

たとえば当社の『エビ寄せフライ』など、自然解凍商品群がその一例。自然解凍は電子レンジ調理と比べて加熱の回数が少なく、衣が軽い、食感がいい、香りがいいといったおいしさアップを実現したことで、お弁当での冷凍食品利用を急増させています。

油・水なしでパリッと焼ける『ギョーザ』も"本物のおいしさ"をお楽しみいただけます。ギョーザの焼き面に当たる"羽根の素"と呼ぶ部分に、あらかじめ油と水分を含ませる独自技術によって、フライパンに乗せて加熱するだけでパリパリのおいしいギョーザを焼き上げることに成功しました。

もはや冷凍食品は今日のおいしい食卓のための食材、つまりフローの食品になりつつあるというわけです」

アレンジする楽しみがある"のせピラ"の魅力

――冷凍食品への"ちょいのせ"などのアレンジレシピも、ストックからフローへという流れのなかから生まれてきたのでしょうか?

「そうですね。毎日の食事作りに冷凍食品を利用するなかで、ちょっと一工夫をすると、そのままでもおいしい冷凍食品がさらにおいしくなる、見栄えもぐんとリッチになる、そんな楽しさや喜びに気づかれたのだと思います。

主婦の方たちは、調理の手間は省きたいと思っていても、決して手抜きをしたいと思っているわけではないのです。冷凍食品を便利に活用しながら、自分なりの創意工夫をプラスする。そうしたアレンジの楽しさも感じられているのではないでしょうか」

――貴社はCMなどで、「具だくさんエビピラフ」を使った"のせピラ"を提案されていますが、あれこそアレンジレシピの極みですよね?

「はい。エビピラフは、様々な副菜と組み合わせ可能な"万能洋食ご飯"です。副菜をトッピングするだけでいろいろなワンプレート料理が誕生します。

ハンバーグを乗せてロコモコ風にするもよし、半熟の目玉焼きを乗せるもよし。チーズ、唐揚げ、野菜と、自由な発想で冷蔵庫の中にあるものなんでもをのせて“のせピラ”する。副菜と別々に食べるのと、不思議と味が違い新鮮ですし、それになにか楽しいですよね」

チーズのせピラ

ハンバーグのせピラ

月見のせピラ

――保崎さんも、よく"のせピラ"するのですか?

「私は、ポテトやコーンなどのチップスを細かく砕いてトッピングするのが気に入っています。辛みのあるチップスなら味のアクセントになりますし、パリパリッとする食感がピラフをさらにおいしくしてくれます」

論より証拠と、保崎さんは、味の素の大人気商品「洋食亭ジューシーハンバーグ」をエビピラフに乗せたもの、半熟の目玉焼きをトッピングしたもの、この2つの"のせピラ"を用意してくれた。

ハンバーグ"のせピラ"は、肉のおいしさとバターの香りいっぱいのエビピラフが口の中で溶け合い、大満足の充実感がある。目玉焼き"のせピラ"は、パラッとしたエビピラフを半熟卵がマイルドに包み込んで、とろけるようなやさしいおいしさ。両者とも相性抜群である。

夏にオススメの"のせピラ"とは?

――これからの暑い夏の季節には、トマトやキュウリなどの夏野菜をトッピングした"のせピラ"もよさそうですね。

「そうですね、野菜をたっぷりと乗せてサラダ感覚で食べるのも大いにアリです。パイナップルなどの果物を乗せてトロピカル"のせピラ"なんかも食欲をそそると思います」

――“のせピラ"以外はどうでしょう。 冷凍食品を使ったアレンジレシピをいろいろ提案しているのでしょうか?

「この夏は冷凍食品を使ってもっとアウトドアを楽しんで頂く提案にも力を入れています。『エビピラフ』にあさりやいかの魚介類、ミニトマト、パプリカ、それにオレンジジュースなどを加えて作る"簡単パエリア"とか、面白いでしょう。アレンジレシピについては私たちもアイデアを出し、試作、試食してこれはイケルというものをカタログなどで紹介しています。また、ホームページでもレシピをご紹介しています。

その他"肉たっぷりそばめし"などもおすすめです。『具だくさん五目炒飯』に焼きそば、バーベキューで余った肉、野菜を加えて作るものです。

"のせピラ"を筆頭に、今後は消費者の皆さんからも自慢のアイデアレシピの募集もできればと考えています」

同社では冷凍食品をよりおいしく、楽しく食べてもらうためのアイデア提案やアレンジレシピ作りもメーカーの務めと考えているようだ。

夏はギョーザを使ったアレンジレシピも!

――夏といえば、暑いシーズンに売上を伸ばす冷凍食品もあるのでしょうか?

「夏休みがあるので毎日のお昼ごはんとしてピラフや炒飯も人気です。また、暑い時期なので、スタミナもつけることができ、ビールのお供にも最適な『ギョーザ』が売り上げを伸ばします。それに合わせて『カンパイ!夏ギョーザ キリン一番搾りが当たる!キャンペーン』を展開中です」

――「ギョーザ」を使ったアレンジレシピもあるのでしょうか?

「これからの季節は、さっぱりと食べられるレモンジュレダレとともに食べるアレンジがおすすめですね。ほかにも、『ギョーザと野菜のごまだれ冷やし中華』や『揚げギョーザペペロンチーノ』など、夏に最適なメニューをホームページでも紹介しています」

いまや冷凍食品は保存食というレベルを超えて、今日食べたい、グルメ食へと進化を続けている。家庭でも、おいしさを基準に冷凍食品を選び、ポジティブに活用する時代の到来。そんな時代のキーワードが、 "アレンジ"であり、"自然解凍"であり、"のせピラ"、ということのようである。