歌手のアンジェラ・アキ作詞作曲の「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」をモチーフに描かれた小説『くちびるに歌を』が来年2月公開に向けて映画化され、女優の新垣結衣が初の教師役で主演を務めることが7日、明らかになった。

映画『くちびるに歌を』で主演を務める新垣結衣 (C)2015 『くちびるに歌を』製作委員会 (C)2011 中田永一/小学館

2008年のNHK全国学校音楽コンクールの課題曲として書き下ろされた「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」。アンジェラが合唱練習に励む中学生のもとを訪れるドキュメンタリー番組がNHKで放送され、"乙一"名義でも多数作品を発表している作家・中田永一がその番組エピソードをもとに小説『くちびるに歌を』を執筆した。本作はその同名小説が原作となっており、監督は『ホットロード』(8月16日公開)、『アオハライド』(12月13日公開)などの話題作を控える三木孝浩監督。長崎・五島列島の中学校を舞台に、天才ピアニストだったとうわさされる臨時教員・柏木先生と合唱部の生徒たちとの人間ドラマが描かれる。

新垣が演じるのは、ぼろぼろのトラックを愛用するぶっきらぼうな性格の美人教師・柏木ユリ。初の教師役に、「今までは私が生徒として先生や先輩方に見守られる役だったのが、今回初めての先生側ということで、そんな年齢になったんだなぁということをあらためて実感しています」と感慨深げだが、「ただ実際は、自分がイメージしていたよりもずっと中身は子供」と分析。「どんなに年齢を重ねようがその時その時で困難にぶつかることはあって、そんな心境や状況は柏木ユリやアンジェラ・アキさんの『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』という曲の歌詞にとてもリンクするなと思います」と受け止め、「そんなわけで大事に撮影期間を過ごして行けたらなと思います。がんばります」と意気込んでいる。

そして、エンディングの主題歌は、原作と映画が生まれるきっかけとなったアンジェラ・アキ本人による「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」。アンジェラは同曲を「色んな方々に歌っていただいたことによって、大きな翼が生え私から飛び立っていったような思いがする特別な楽曲」と紹介し、「6年前、私は若松島に降り立った日のことを鮮明に思い出しました。その長崎・五島列島の美しい風景や、そこに暮らすおおらかであたたかい人たちの姿が、映画になって心からうれしく思います」とコメントを寄せた。

本作で、柏木と並んで重要な役割を担う合唱部員の生徒たち。物語の中心となるナズナ役に恒松祐里、サトル役に下田翔大。そのほか、葵わかな、柴田杏花、山口まゆ、佐野勇斗、室井響ら全員が本作のためのオーディションで抜てきされ、撮影前には半年間に及ぶ合唱練習を積み、今夏オール長崎ロケの合宿生活に挑む。また、柏木の親友で彼女を教員として呼び戻す産休間近の音楽教師・ハルコに木村文乃、柏木に思いを寄せる同僚・塚本役に桐谷健太。合唱部員サトルの兄役にバンド・黒猫チェルシーのボーカル・渡辺大知。さらに、木村多江、小木茂光、眞島秀和、石田ひかり、角替和枝、井川比佐志などの俳優陣が脇を固める。

本作は今年7月中旬に長崎・五島でクランクイン。オール長崎ロケで、8月下旬のクランクアップを予定している。