Silicon Laboratories(Silicon Labs)は7月1日、最大1kVの機能的絶縁を要するコスト重視の家庭用電子機器アプリケーション向けに、最高のチャネル数、性能、信頼性、データレートを備えたデジタルアイソレータ「Si80xx」ファミリを発表した。

同ファミリは、複数の絶縁型信号チャネルを要するアプリケーション向けの機能的絶縁ソリューションである。3チャネル構成、6チャネル構成から選択でき、絶縁定格最大1kVをサポートする単方向性アイソレータシリーズとして、業界最多のチャネル数を有する。これにより、アイソレータの部品点数を最小限に抑えられるため、幅広のデジタルバスを持つシステムにおけるタイミング、および絶縁の課題がシンプルになり、部品(BOM)コストおよび基板面積を削減できる。

また、競合他社のデジタルアイソレータ製品と比較すると、電磁放射、および電磁環境耐性に優れているため、システムの設計が簡素化され、コストが削減でき、電磁環境適合性(EMC)へ容易に適合できる。電磁放射は他社ソリューションより最大20dB低いため、コストのかかる遮蔽が不要である。そして、同ファミリのアーキテクチャは、CMOSベースの絶縁バリアで隔てられたトランスミッタとレシーバで構成されている。トランスミッタ側では、内蔵の高周波オシレータを使用して、容量性絶縁バリアを通るデジタル入力信号を変調する。レシーバ側では、これらの信号を対応するデジタル出力信号に復調する。そのとき、出力信号は入力から電気的に絶縁される。このシンプルなアーキテクチャが、起動時に特別な考慮や初期設定を必要としない堅牢なデータ経路を実現する。これらにより、洗濯機、乾燥機、ミキサー、掃除機、他の家庭用電化製品、機能的絶縁を要する試験装置および測定装置において、オプトカプラより優れた代替品として使用できる。

なお、「Si80xx」ファミリは、1kV定格の小型16ピンQSOPパッケージでサンプル出荷および量産を行っている。価格は1万個購入時で1.04ドルから。同社の評価キット「Si80xxISO-KIT」は29ドルとなっている。

デジタルアイソレータ「Si80xx」ファミリ