抗血液凝固薬の開発に期待 - 岡山大、血小板を凝縮させるタンパク質を特定

岡山大学は、止血を担う細胞である血小板の密顆粒に局在する小胞型ヌクレオチドトランスポーター(VNUT)が、凝集時に血小板から分泌される「アデノシン二リン酸(ADP)」や「アデノシン三リン酸(ATP)」の蓄積を担う分子であることを発見したと発表した。

同成果は、同大医歯薬学総合研究科(薬学系)の日浅未来 WTT助教と森山芳則教授らによるもの。詳細は6月1日付の「Physiological Reports」に掲載された。

血小板は組織損傷などの際、出血箇所に到達、活性化して密顆粒内に蓄積したATPやADPを分泌し、互いに凝集することで血栓を形成する。血小板は密顆粒内にATPやADPを普段から蓄積しており、活性化時に放出するが、どうやってATPを蓄積しているのかについてはよく分かっていいなかった。

今回、研究グループは、タンパク質であるVNUTが血小板密顆粒内に局在していること、ならびにVNUTの発現が抑制されるとATP/ADPの放出が減少することを確認したほか、グリオキシル酸が、血小板でVNUT機能を阻害し、その結果、ATP蓄積や放出を減少させることを発見したという。

今回の成果について、研究グループでは、密顆粒内の内容物が蓄積されないことで発症する血小板機能低下症の原因解明につながることが期待されると説明するほか、グリオキシル酸が密顆粒内へのATP蓄積を阻害する効果も見いだされたことから、将来的には、血小板をターゲットとした抗血液凝固薬の開発にもつながることが期待されるとコメントしている。

血小板の凝集機構。活性化した血小板から放出されたATPやADPによって周囲の血小板が活性化し、損傷部位に集まって凝集する

血小板でのVNUTの働き。VNUTは血小板密顆粒にてATPやADPを蓄積する役割を担う。グリオキシル酸はVNUT阻害効果をもち、血小板機能を抑制する



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