損保ジャパン東郷青児美術館、読売新聞社は、1960年代にイタリアを中心に展開した"動く芸術"を紹介する「不思議な動き キネティック・アート展 ~動く・光る・目の錯覚~」を開催している。開催期間は8月24日まで(7月21日を除く月曜は休館)、会場は東京都・西新宿の損保ジャパン東郷青児美術館。開館時間は10:00~18:00。観覧料は一般1,000円、65歳以上800円、大・高校生600円。

フランコ・グリニャーニ《波の接合33》1965年 油彩・カンヴァス

ジョヴァンニ・アンチェスキ《円筒の仮想構造》1963年 鉄筋棒・電気仕掛の動き

同展は、「キネティック・アート」を、日本で初めて総合的に紹介するもの。20世紀のヨーロッパで誕生したキネティック・アートは、作品そのものに「動き」を取り入れているのが特徴で、機械じかけで動いたり発光したりする作品のほか、実際には動かなくても、目の錯覚や視点の移動に応じて動いて見える作品も含まれる。

また、同展では先駆的なブルーノ・ムナーリをはじめとするイタリアの作家のほか、フランスやドイツで活動した作家をあわせた約30名による平面・立体作品約90点を展示する。いずれもイタリア国内のコレクションからの出品で、日本初公開となっている。

なお、キネティック・アートが本格的に盛んになるのは、1950年代後半から60年代にかけてのこと。第二次世界大戦後、急激に発達する科学技術を芸術に取り込む気運が高まるなか、20世紀の新しい美術分野として定着した。