NTTドコモ(以下、ドコモ)は6月27日、通信機能を搭載する車両や建設機械等のM2M機器に組み込むSIMカード(以下、SIM)として、ドコモの電話番号だけではなく海外通信事業者の電話番号も書込みが可能になる「eSIM」を、6月30日から法人向けに提供開始すると発表した。

従来型SIMとeSIMについて

従来、世界各国でM2M機器を販売する企業が海外通信事業者の回線を利用する場合、機器の製造時に各通信事業者が提供する専用のSIMを組み込む必要があったが、今回、eSIMを導入することで、製造時に1種類のSIMを組み込むだけで、海外通信事業者の電話番号を随時、書き込むことが可能になり、海外展開する企業にとって部品の共通化により、製造及び在庫管理の効率が向上する。

eSIMの外観

eSIMの外観

今回提供されるeSIM(Embedded Subscriber Identity Module)は、「docomo M2Mプラットフォーム」を利用する法人顧客向けのソリューションとして提供。カード型とチップ型の2種類があり、カード型はPlug-in形状、寸法は15mm×25mm。チップ型はMFF2形状、寸法は6mm×5mm。

eSIMを利用する場合の条件は、「eSIMに対応する通信機器」の用意と、「利用する国・地域の海外通信事業者の回線の提供を受ける」ことが必要になる。ただし、海外通信事業者の回線については、回線数、契約条件、国・地域等によっては、eSIMを利用できない場合がある。この場合、同社はユーザーの要望を訊きながら、順次海外通信事業者との間で協議を進めていく。