東北大学サイバーサイエンスセンターとNECは、同大サイバーサイエンスセンター内に「高性能計算技術開発(NEC)共同研究部門」を設置し、将来の社会基盤として期待される次世代スーパーコンピュータの技術研究を7月1日より開始すると発表した。

両者は1958年にパラメトロン式の電子計算機SENAC-1(NEAC-1102)を共同開発しており、その後も継続して高性能計算技術の研究や、ユーザアプリケーションの高速化・並列化を行う研究を行ってきた。2014年10月に運用開始予定のNEC製スーパーコンピュータ「SX-ACE」の開発においても、これらのノウハウが活用されており、今後、先端学術情報基盤を活用した新しい科学(サイバーサイエンス)の創造に関する教育・研究を行う予定。

東北大学とNECで共同開発された「SENAC-1」(左)/2014年10月運用開始予定の「SX-ACE」(右)

新部門では、主にスーパーコンピュータのアーキテクチャやシミュレーション技術の高度化と、その応用に関する研究を行うとともに、計算機科学と計算科学の発展を担う人材の育成を目的としている。同部門開設に伴い、東北大学サイバーサイエンスセンターから研究者および職員、NECから技術者が参加し、研究活動を行う。

主な研究内容は、次世代スーパーコンピュータに必要とされる要素技術と、地震・津波・気候変動シミュレーション解析などの防災や最新航空機開発など様々な科学的・社会的課題を解決するためのアプリケーションプログラムの高速実行技術など。