疾患に関わる細胞応答機構の解析研究

  [2014/06/27]

慶應義塾大学理工学部生命情報学科井本研究室では、ケミカルバイオロジーを中心に分子生物学、細胞生物学の研究手法を駆使して、がんや神経変性疾患に関わる細胞の制御異常を遺伝子やタンパク質レベルで解析するとともに、 医薬品リードとなる小分子化合物の開発を目指しています。

"私達の研究は、ケミカルバイオロジーという分野です。ケミカルバイオロジーとは何かと言いますと、化合物を使って生命現象を解明する研究手法です。例えば細胞幹細胞にがん細胞の増殖を抑制する、もしくはがん細胞を死に至らしめるそういう化合物をまず探します。そうするとその化合物が見つかってくると、何故その化合物ががん細胞を殺したり、がん細胞の増殖を抑制するのかを、今度はその化合物の標的タンパク質を探し、標的タンパク質をコードしている遺伝子を特定する事で、その機能を解明するという手法です。"

私たちの体を構成する60兆個の細胞は、高度に制御されていることで正常な生命活動を維持しています。しかし、細胞の制御機構にはまだまだ不明な点が多いのが現状です。したがって、細胞の制御機構を解析することは生命現象を理解する上で極めて重要な研究課題です。その研究手法とはどのようなものなのでしょうか。

"まず微生物を集めて来ます。現在私達は7千種類の微生物を持っています。そのひとつずつの微生物を培養して培養液をつくります。それを例えばがん細胞にその培養液をあてます。あてるというか処理します。そうするとがん細胞の中で正常細胞の形にもどる、そういう菌を探して来ます。その菌を培養しましてその中に含まれる活性本体、がん細胞の形態を例えば正常形に変えるような化合物を単離生成致します。単離生成して次にNMR等の分析器を用いて構造解析します。それで構造が新規であれば非常に嬉しい事なんですが、一部でも作用が新しければ、我々はハッピーです。次にその化合物を使って、その化合物が結合するタンパク質をがん細胞の中からとっていきます。そのタンパク質が見つかって来ますと、今度は本当にそのタンパク質ががん細胞正常細胞の違いに関わっているかどうか見るために、その遺伝子をノックダウンします。そうして確かめた上で次にそのタンパク質遺伝子を解析します。それで次に例えば過剰発現して、本当にがんがなおるのか、がんをさらに促進するのかを確かめ、それでその化合物を次に動物モデル系で制ガン実験もしくは神経変性疾患の治療実験を行います。"

研究が進めば、がんや神経変性疾患の治療薬のリード化合物開発へと続く井本研究室。それは宝探しと謎解きの連続だと言います。

"私達はまず最初に薬のネタになるような化合物を探します。まさに宝探し。もうひとつ、その化合物が何故治療効果をあげるのかに関しては、そのメカニズムを解析する。これは謎解きです。宝探しと謎解きは非常にエキサイティングな研究分野です。従いまして情熱を持って、そのためには勿論基礎勉強をして頂きたいのですが、情熱をもって取り組める分野ですので、この分野にぜひ皆さんふるって我々と一緒に研究に参加して頂ければと思っています。"


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