東京工業大学(東工大)は6月19日、カーボンナノチューブ(CNT)を用いたテラヘルツ波検出器を開発したと発表した。

同成果は、同大 量子ナノエレクトロニクス研究センターの河野行雄准教授らによるもの。米国ライス大学、米国サンディア国立研究所と共同で行われた。詳細は、米国化学会誌「Nano Letters」のオンライン版に掲載された。

テラヘルツ波は、食品・生体を非破壊で安全に検査できるため、多くの分野で応用が期待されている。しかし、エネルギーが光に比べて非常に小さいため、効率的に吸収・検出する材料や機構が少なく、検出には新たなアプローチが求められていた。今回、CNTをアレイ状に整列させたフィルムを用いてテラヘルツ波を室温で検出することに成功した。この成果は、医療用イメージングや空港セキュリティ、食品検査など多岐にわたるテラヘルツ波の応用につながるとコメントしている。

CNT薄膜による室温テラヘルツ波検出の概念図