アドビ システムズは19日、「Adobe Creative Cloud」と連携するモバイルアプリ群とクリエイティブハードウェア(電子ペンと定規)である「Adobe Ink & Slide」を発表した。アプリは既にApp Storeでの配布が開始されており、無料でダウンロード可能。ハードウェアの価格は米国オンライン価格で199.99ドル(日本を含む他の地域への出荷は今年後半を予定)。本稿では、19日に東京都・六本木で行われたイベント「Adobe Create Now」内で同端末をタッチアンドトライした様子をお届けする。

Adobe Ink & Slide

ペン先は硬質で、押すとわずかに沈み込んだ

デジタル定規「Adobe Slide」の大きさ比較(左はiPhone 5S)

同社が手がけるクリエイティブハードウェアとして、表現力に優れた描画を可能にし液圧成型された三面構造のアルミ製スタイラスペン「Adobe Ink」と、iPad上で直線、完全な円、バランスのとれた形状による精密なスケッチを行うためのデジタル定規「Adobe Slide」の2製品が発表された。どちらもiOS7を搭載したiPad上で動作する。価格はどちらも米国オンライン価格で199.99ドル。出荷は現在のところ米国内限定だが、今年後半には他の地域への出荷を開始する予定だとしている。

Adobe Slideを当てた状態で線を引くと、ガイドが出た部分にだけまっすぐな線が引ける

アプリ「Adobe Sketch」では、通常の描画のほかiPadのカメラロール内の写真をキャンバスに表示しトレースを行うこともできる

描いた内容は直接PhotoshopやIllustrator、CCのストレージ上に送ることが可能

製図用アプリ「Adobe Line」では規定の図(人物や家具)をパース表示した上で配置可能

また、今回発表されたモバイルアプリは、フリーフォーム描画用のソーシャルスケッチングアプリ「Adobe Sketch」、精密描画および製図用アプリ「Adobe Line」、iPad上で非破壊的な写真補正や合成が行える「Photoshop Mix」という3本のiPadアプリと、デスクトップ版「Photoshop Lightroom」と連携して写真の加工をiPhone上で行える「iPhone向け Lightroom mobile」、そして、Creative Cloudの加入者がモバイルデバイスからファイルやアセットなどにアクセスして管理できる「iPad/iPhone向け Creative Cloud」の計5本。これらのすべてのアプリはiTunes App Storeから無料でダウンロードできる。

同製品のパッケージと内容一覧。白ベースの箱に差し色がされ、透明なインクでCreative Cloudのマークがエンボス印刷されるなどリッチな作りこみがなされている

「Adobe Ink」の充電は専用デバイスを用いる。同梱されているLightningケーブルを筒状のデバイスに接続すると、充電中はLEDが点滅する

アプリのリリースに加え、同社のクリエイティブテクノロジーをモバイルアプリの開発者が利用できるようにしたソフトウェアライブラリ「Adobe Creative SDK」も発表された。これにより、Creative Cloud上に保存されているファイルのブラウズや、PSDファイルからの要素の抽出、直線描画のためのアドビの「Touch Slide」ソフトウェアや、コンテンツに応じた塗り、アップライトなどのクラウド画像編集サービスなどが利用可能になるという。当初はiOSアプリケーションの提供を対象とし、今後数カ月以内にベータ版が公開される予定だとしている。

アプリ内でペンを認識させる際は、メニュー内の円にペン先を押し当てて通信させる

Adobe Inkの後端の三角形部分はLEDで点滅するが、好みの色を設定することが可能