トヨタ自動車はこのほど、6月14~15日に開催されたル・マン24時間耐久レースの結果について発表した。トップを快走しながら優勝を逃した結果に、「結果は厳粛に受け止めなければならない。我々はより強くなって帰ってくる」とコメントしている。

ル・マンでトヨタ「TS040 ハイブリッド」が3位入賞

トヨタはこのレースに2台の「TS040 ハイブリッド」を投入した。その1台である7号車は圧倒的なパフォーマンスを見せ、予選では中嶋一貴選手が日本人初のポールポジションを獲得。本戦でもスタート直後からトップを快走したが、折返しを過ぎた約13時間後に電気系のマシントラブルでストップ。ピットに戻ることができず、そのままリタイヤとなった。

もう1台の8号車は、予選で3位を獲得し、本戦でも見事なスタートを切ったが、90分後の突然の豪雨の中で多重クラッシュに巻き込まれてしまう。マシンは破損し、自走してピットに戻ったが、前後カウルやサスペンションを交換する大規模な修理が必要だった。

困難な修理にもかかわらず、トヨタのメカニックはわずか50分で修理を完了し、8号車はコースに復帰した。ポジションはトップから8周遅れのほぼ最後尾。それでもポイント獲得をめざし、堅実にラップを重ねた8号車は、次々と先行車をパスして順位を上げた。その後、もう一度修理のためのピットストップをしたにも関わらず、最終的に3位入賞を果たした。

チーム代表の木下美明氏は、「ル・マンでの3位は大変喜ぶべき名誉だが、今日は複雑な気持ちだ。幸運は要らないが、もう少し、アクシデントが少なければ、と思う。しかし、それがモータースポーツであり、結果は厳粛に受け止めなければならない。この経験を糧に、我々はより強くなって帰ってくる」とコメントした。