横河電機は6月9日、電子部品・電子機器組み立て装置など向け組み込みコントローラ「e-RT3」用にCANインタフェースモジュールを発表した。

CANは、電子機器同士を接続する通信規格で、国際標準化機構(ISO)によって標準化され、自動車の電子制御装置(ECU)とモータ、インバータなどの車載装置間のバスを中心に普及し、2次電池分野でも採用が増えると言われている。また、車載装置や2次電池の性能・耐久試験では、ユーザーが設定した負荷パターンや温度パターン通りにコントローラから発信される指示に応じて稼働している試験対象品の温度、電圧、電流、回転数、トルクなどを測定する。これまでは、PLCを用いて、CANに対応した車載装置や2次電池を試験する場合、PLCと試験対象品の間にCANに変換するプロトコル変換器が必要だった。

今回、プログラミング言語にC言語を採用しているPLCで、業界で初めてCAN通信プロトコルに対応したインタフェースモジュールを開発した。これにより、プロトコル変換器を介さずに、CANインタフェースを持つ機器とコントローラを直接接続することが可能になるため、システムの構築が容易で、通信も高速になるという。また、「e-RT3」のCPUモジュールとCANインタフェースモジュール間をパソコンの内部バス規格として普及しているPCIバスで接続した。これにより、測定データを最大転送速度133Mbpsで高速に処理できるとしている。

「e-RT3」用CANインタフェースモジュール。手前左が1チャネル、右が2チャネル