QNX Software Systemsは6月4日、ISO 26262認証が必要な車載システム向けに「QNX OS for Automotive Safety 1.0」を発表した。

「QNX OS for Automotive Safety」では、エンジン故障の警告といった安全性が不可欠な機能を、RPMなどの安全性が不可欠ではない機能と同じハードウェアモジュールで実行できるようにして、開発と認証取得のコストを大幅に削減できる。このような統合を実現するために、OSではきめ細かなプロセス分離とメモリ保護が行われ、安全性が不可欠なコンポーネントが、他のコンポーネントからの干渉を受けないようになっている。また、OSはQNXアダプティブパーティショニングをサポートしている。QNXアダプティブパーティショニングは、安全性が不可欠なコンポーネントが、その他のコンポーネントにCPUサイクルを奪われることを防ぎ、干渉からの保護をさらに強化するという。

ISO 26262の認証取得プロセスは、長く厳しいものとなると予想される。このため、アプローチを間違えると製品開発に顕著な遅れが発生する恐れがある。同社は、「QNX OS for Automotive Safety」だけでなく、同社の規格認証プログラムの実績から得た専門知識を通し、システムレベルでの認証において自動車関連企業を支援する。QNXの実績には、ISO 26262のベースをなすIEC 61508安全性規格でのOS認証が含まれているという。

なお、「QNX OS for Automotive Safety 1.0」の規格認証には、QNXツールチェーンコンポーネントの検証が含まれ、これらのコンポーネントをISO 26262プロジェクトで使用することができる。リリースは2014年第3四半期の予定。