休日の私

アラサー独身女です。結婚もしておらず子供もいない。地元の友人や両親、親戚からは「さぞかしヒマなんだろう」と声に出して言われます。最近は「早く結婚すれば?」とすら言われません。ひたすら「そんなに自由でたくさん時間があっていいね」と言われます。いや、そんなことはないんです。アラサー独身女だってヒマじゃないんです。本当です。私はこんなに忙しい休日を過ごしているんです。

7:00 無駄に早起きする。学生時代のように、長く寝ることすらできないほどに体力が無くなっている。

7:05 冷たい水でさっぱりと洗顔をする。タオルで顔を拭いているときにふと口の周りに産毛を発見するが、「いやこれはヒゲではない」と自分に言い聞かせる。

8:00 フローリングの掃除、洗濯、たまっていた食器洗い、風呂掃除、トイレ掃除、玄関の掃除、シーツの取り換えなど、だいたいの家事を完璧に済ませる。

8:05 何かないかなぁと思って冷蔵庫を開ける。ビール発見。繰り返す。ビール発見。プシュッといい音をさせてグビグビと飲む。つまみがないので手に缶ビールを持ちながら家中を探し回る。戸棚の中にしけた柿ピーを発見。ショモショモという音とともに食す。しけてもうまい。

10:30 まどマギと進撃の巨人のアニメを見ながら朝からビールを飲んでいたらもうこんな時間。すでに開けたビールの本数は3本。一日一本と自分と約束したのにもう3本。仕方がないのでAmazonでキリンのどごし生(350ml×24本)×2箱(5,534円 税込)を注文。これでしばらくはビールもなくならないだろう。

11:00 自宅で飼っている愛猫の吐いたゲロで足を滑らせてこける。上手に受け身をとることができたがビールを床にぶちまける。半泣きで掃除。

11:05 そろそろお昼ご飯なのでメニューを考える。冷蔵庫を開けると、金曜日の夜に買ってきた食材が大量にある。じっくり時間をかけて昼食を作ることにする。

11:45 お腹ぺっこぺこなので早目の昼食。今日のメニューは、炊きたての白米(銘柄はゆめぴりか)、鯛の刺身、みょうがとネギのひややっこ、ほうれん草のおひたし、京野菜のぬか漬け、出し巻き卵、揚げだし豆腐。ちょっと作りすぎたが、幸せである。

13:00 長い昼食が終わる。結局またビールも飲んでかなりいい気分に。洗面所で歯磨きをしながら「どこかにでかけようか」とも思うが外の気温が高すぎてそんな気分にはとてもなれない。

13:15 廊下で猫がすれ違いざまに「フシャアアアアア」と言いながら私の足に5回連続で猫パンチしてくる。どうやら今日は機嫌が悪いらしい。怒っていても可愛いなぁと顔がニヤける。

13:20 さすがにこんな女子力5くらいの生活を続けるわけにはいかないので、無駄とは知りつつも無駄毛の処理をする。しかしながらものすごく長い毛が皮膚の下で外に出られずにグルグルになっているのを発見してなんかもう何もかもどうでもよくなる。無駄毛処理中断。この皮膚の下の毛を見て「まるで私の人生だな」って思う。

13:30 機嫌が悪かったはずのうちの猫が私のところまでやってきて抱っこをせがむ。可愛いなぁと思って抱き上げると「ふえ……」と言った後に盛大に「ぶぇえええっくしょん」とクシャミをする。ドヤ顔の猫。よだれまみれの私。お尻全開で去っていく猫。

13:45 洗顔。

14:00 寝室のエアコンが壊れていたのだがその修理の連絡で業者から連絡がくる。「毎日暑いですもんねー日程調整、頑張って早目にやりますね!」と言われる。こんなに優しい言葉をかけられたのはいつ以来だろうと思いつつその一方で脳内でその業者さんと結婚に至るまでのフレッツ光並みの速さの妄想が加速していく。でもむなしいので相手のご両親にあいさつに行って「茶髪の女とは結婚させない!」と反対された所で妄想の連載が打ち切られる。私先生の次回作に期待。

14:30 もしも近日中に彼氏ができたらどうしようと意味もなく部屋の掃除。昔買った同人誌を捨てるべきか否か本気で迷い結局取っておく。しかし勝負下着として買ったはいいものの何年も出番がなく色あせヨレヨレになった下着はまるめて処分。誰も私の下着なんて気にしないだろうけど、黒い紙袋を二枚使って下着が外から見えないようにして処分する。

16:00 これで残った下着はたったの2枚。ガチでヤバイのでチュチュアンナの公式サイトで下着を買う。「別に誰にも見られないしな」と思い結局買うのは若い子むけのピンクのひらひらしたやつ。いいんだ。これで満足なんだ。

16:30 疲れたので遅めの昼寝。猫といっしょに眠る。時々私の胸に強烈な猫パンチを繰り出してくるが、受け身をとりつつ一緒に眠る。ものすごく寝顔が可愛くて癒やされる。

18:00 まだ日が明るいうちにお風呂に入る。死ぬほど暑かったのでこの日は水風呂。猫が見ている前ですっぽんぽんになって「うひょおおおおああああ」と叫びながらバッシャーンと盛大に風呂に入る。その後は、防水カバーを付けた小説を読み、冷蔵庫にあったグレープフルーツジュースを飲みながら一人の風呂の時間を幸せに過ごす。

19:00 生ハムがあったので、生ハムとルッコラのピザを作る。野菜も食べたかったのでアスパラとベーコンの炒め物と新鮮なトマトでブルスケッタを作って完了。「いい人いないのかぁ?」が口癖の親戚のおっちゃんにもらったワインを開けて晩酌を楽しむ。酒ばっかり飲んでるのでツマミを作る腕だけが上がっていく。ちなみに男受けするような肉じゃがとかそういうのは一切作らないし作れない。酒のツマミにならないから。

21:00 ワイン1本飲みつくしてしまったのでどうしようかと悩み中。調理用の日本酒をなめてみるも、あんまり美味しくないしなんとなくしょっぱいし断念する。仕方がないのでだいぶ昔に買った梅酒を飲む。……なんか苦いけどそれでも飲む。

23:00 食器を洗っていてふと横を見ると今日一日で飲んだ酒の空き瓶・空き缶がこんもりと山になっていてちょっとショック。「知ったことか」と開き直りたくなるがでもちょっと抑えようと反省する。

0:30 「寝るよー」と声をかけるとうちの猫がダッシュで寝室に向かってベッドの上に横たわる。ど真ん中に寝ているので私が寝るスペースがないが、残されたわずかなスペースを使って上手にベッドにあがらせてもらう。猫のあたたかな体温を感じながら就寝。ただの一度も外に出なかったしまともな会話も誰ともしていないことに薄々勘付いているがそれでも就寝。多分明日の日曜も同じような一日になるだろうことを予想して就寝。