ダッソー・システムズ日本法人は5月30日、人間の心臓全体を3D化した世界初のリアリスティック・シミュレーション・モデルを公開した。本モデルは、循環器疾患の治療に携わる専門家達を分野をまたいで横断的に集めたチームと共に立ち上げた「リビング・ハート・プロジェクト」の中核となる。

リビング・ハート・プロジェクトは、エンジニアリングや医療など、多分野の専門家が集結、心臓の診断や治療の未来の定義を促進し、本モデルを使用することで患者自身の心臓を3Dでバーチャルモデル化することで、心臓病の診断、治療、予防に新たな地平を拓くとしている。

今日、実物に極めて近い(=リアリスティック) 3D人体モデルは無いため、人体内部において医療機器がどのような動作をするかを研究者が予測することは困難である。心エコー図、MRI、CTスキャンといった画像と、心臓病の研究データを組み合わせた、患者個人の3D心臓シミュレーションを実現することにより、医療専門家は、患者の心臓の挙動を、侵襲性を伴う診断手順を追加することなく、より的確に理解できるようになる。