計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは5月28日、低価格RFシミュレーションおよび合成ソフトウェアの最新バージョン「Genesys 2014」を発表した。

現在、防衛関連技術や民間向けワイヤレス技術では、デジタル変調信号が用いられている。同ソフトウェアでは、従来のシステム解析のユーザインタフェース内で、簡単にデジタル変調信号のシミュレーションを行うことが可能になった。EVM(変調精度)、BER(ビット誤り率)、ACPR(隣接チャネル漏えい電力)などのデジタル変調関連の解析を実施する場合、各指標について単一の値しか解析できないシミュレータもある。これに対し、「Genesys 2014」では、各指標について、システムのブロックダイアグラムの各コンポーネントにおいて、バジェット解析を一度のシミュレーションで実施できる。これにより、デジタル変調信号によるシステムパフォーマンスに関する問題の原因を短時間で特定することが可能となる。

また、高精度デジタル変調解析機能は、新しく組み込まれたデータフロー型シミュレータで、802.11ac規格対応の無線LANやLTE-3GPPなど、最先端のワイヤレス規格に対する検証を簡単に行える。あらかじめ適切な設定が登録されており、メニューから簡単に呼び出すことができる。これにより、回路やシステムがワイヤレス規格に準拠しているかを検証する際、複雑な解析設定で手間取ることがなくなる。

なお、価格は52万円(税別)から。すでに、出荷を開始している。

「Genesys 2014」の画面