薬用せっけん「ミューズ」を販売するレキットベンキーザー・ジャパンはこのほど、食中毒が気になりだすこれからの季節に向けて、「キッチンでの手洗い実態に関するアンケート調査」を実施し、その結果を公表した。実施時期は4月で対象は20代~40代の主婦224名。

あなたがキッチンで行う手洗いは以下の方法のうち、どれが最も多いですか?

最も多かった回答は、「ポンプ式のハンドソープを使用する」(41.5%)だった。次いで多い回答が「水やお湯」(36.2%)で、およそ約4割の主婦がハンドソープやせっけんを使わず、水やお湯で手洗いを済ませていることがわかった。

次に、1回の手洗いにかける時間について尋ねたところ、最も多い回答は「10秒程度」(47.8%)だった。「5秒程度」「3秒以内」とあわせると、約8割が10秒以内で済ませていたことが分かった。また、手洗い後の水のふき取り方法についての問いでは、85.7%が「手拭きのタオル」と回答した。

キッチンで手洗いする際、手洗い1回にかける時間はどのくらいですか?

同社では、「徹底! 手洗いラボ」と「衛生微生物研究センター」の協力のもと、手洗い後に素手でおにぎりを握り、おにぎりに付着した菌数を調べた。今回の実験では、水のみで10秒程度の「ささっと手洗い」と、ハンドソープを使用し、洗い残しやすいポイントに注意しながら30秒時間をかけて手洗いを実践した「しっかり手洗い」による比較を行った。

まず、繰り返しキッチンで1週間使用し雑菌が増殖した台ふきんを触り、雑菌が手に付着している状態でそれぞれの方法で手を洗い、素手でおにぎりを握った。そして、握った直後のおにぎりの雑菌数と夏場を想定した常温(25℃)で3時間置いたおにぎりの雑菌数を調べた。

その結果、「ささっと手洗い」をした後に握ったおにぎりは500個の雑菌が付着しており、3時間後には110万個にまで増殖していた。一方の「しっかり手洗い」では20個の雑菌が付着しており、3時間後には1,800個となっていた。握った直後のおにぎりでは、「ささっと手洗い」は「しっかり手洗い」の25倍の雑菌がおにぎりに付着し、3時間後にはその差が611倍にもなっていた。

2つの異なる手の洗い方でおにぎりを作った際のおにぎり1個あたりの雑菌数

料理教室で衛生指導を実施している料理研究家の若宮寿子先生は、「手洗いの際に水やお湯だけではバイ菌は落ちないこと」「殺菌力のあるハンドソープを使用し、よく泡立て、汚れやバイ菌をきちんと洗い落とすこと」を呼びかけている。

また、手のひらのしわ、手の甲、指先・爪、指の間、親指や手首などの細部の汚れやバイ菌まで落とすことを心掛け、時間は30秒以上かける必要があること、手拭きにはキッチンペーパーを使用するなど、汚れた場所をなるべく触らない"ノータッチな手洗い"をすすめている。