エプソンは5月19日、PCを接続することなく壁やボードに電子ペンで書き込みと書き込み内容の保存・共有ができる「ホワイトボード機能」や投写面でPC操作や書き込み、データ編集が可能な「PCインタラクティブ機能」などのインタラクティブ機能を搭載するプロジェクタのラインナップを強化し、ビジネス市場向けに2機種、文教市場向けに1機種の計3機種を発表した。

ビジネス市場向けの新製品は、指でのタッチ操作に対応する『EB-1430WT』と、非対応の『EB-1420WT』。市場想定価格は、『EB-1430WT』が34万8,000円、『EB-1420WT』は29万8,000円(いずれも税別)。

『EB-1430WT』

『EB-1420WT』

新商品は、新たな機能として「共有ホワイトボード機能」を搭載し、複数拠点(最大15)でPCレスでホワイトボードを共有して、同じ画面の閲覧や書き込みを行ったり、テレビ会議/音声会議システムと併用することとが可能になっている。また、ホワイトボード機能では、書き込んだ一部データの移動・縮小拡大の加工編集が可能になった。

ホワイトボード機能の強化

いずれも明るさ3,300ルーメンでWXGAに対応。コントラスト比は10,000:1。16Wスピーカーを内蔵する。オプションのボードスタンドと組み合わせることで、ワイド82型や72型の移動式一体型ホワイトボードとしても利用できる。また、机やテーブルをスクリーンとして使用できるテーブル投写にも対応する。

ホワイトボード機能は電源をオンにするだけで、壁面やボードに電子ペンで書き込みができ、画面は50ページまで増やすことができる。書き込んだ内容は、再編集可能な形式でUSBメモリやサーバに保存可能だ。

『EB-1430WT』は、「指deタッチ」操作に対応。投写画面上でツールボタンを押したり、画面の拡大/縮小などができる。また、マウスのようにクリックやドラッグ&ドロップ、スクロールなどの操作が可能。

「指deタッチ」

一方、文教市場向けには、指によるタッチに新たに対応し、投写画面上で指を使って、電子黒板のツールボタンの操作や画面の拡大、縮小、スクロールなどを直観的な操作が可能な電子黒板機能内蔵の超短焦点壁掛け対応モデル『EB-595WT』を発表。市場想定価格は、24万8,000円(税別)となっている。

『EB-595WT』

PCレスで使用可能な電子黒板機能を標準で内蔵しており、書き込みやマウス操作は二人同時に行うことが可能。

また、付属のソフトウェア「EasyMP Multi PC Projection」を使用することで、プロジェクタにネットワークで接続している最大50台のスマートフォン、タブレット端末やPCの中から複数の端末の画面を同時に投写したり(2画面、4画面)、1つの端末を全画面で投写するなど、学習に活用することができる。

エプソン販売 取締役 販売推進本部長 中野修義氏

明るさは3,300ルーメンでコントラスト比は10,000:1。16Wのスピーカーも内蔵する。設置については、超短焦点レンズにより壁掛けで最短18.7cmの距離で80型のスクリーンサイズに投写できる。

エプソン販売 取締役 販売推進本部長 中野修義氏は、現在のプロジェクタ市場は、2つの傾向があると指摘。1つは5,000ルーメンを下回る従来のプロジェクタ市場で、こちらは伸びが鈍化しているのに対し、 インタラクティブ機能搭載のプロジェクタは、今後、オフィス市場では200%以上、文教市場でも大きな伸びが期待できるという。

ビジネスプロジェクタ市場

文教市場においては、文科省の整備計画により、平成33年までに、普通教室に1教室に1台の電子黒板・インタラクティブ内蔵のプロジェクタ配備していくという計画の影響が大きい。

中野氏は、「今後は成長領域に重点的に商品を投入し、台数とシェアを伸ばしていきたい」と述べた。

同社では、オフィスおよび文教のインタラクティブ市場と、5,000ルーメン以上の高光束プロジェクタを重点領域に据え、今後1年間で2万6,000台(高光束:5,000台、ビジネス:5,000台、文教:16,000台)を販売目標に掲げる。

高光束プロジェクタ市場は、台数は年7,000台と少ないものの、金額ベースでは市場の30%占める大きな市場だという。