日経BPコンサルティングは12日、「第3回全国LTE/4Gエリア調査」の結果をまとめて公表した。それによるとiPhone/Androidの別を問わず、地域を問わずダウンロード速度はNTTドコモ、アップロード速度はソフトバンクモバイルが優位という明確な結果となった。

同調査は全国47都道府県から2818カ所の調査地点を選び、スマートフォンによるLTE/4G接続のエリア化率、およびデータ通信速度に関する調査を実施した(実調査は1カ所で複数ポイントの調査もあり、全体で3005ポイントの調査を実施)もの。期間は2014年4月10日から5月7日まで。調査に使用したスマートフォンは、ドコモの「iPhone 5s」「Xperia Z1 f」、KDDI(au)の「iPhone 5s」「isai」、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5s」「AQUOS PHONE Xx」の6機種だった。

ダウンロード速度はドコモが最速

今回、データ通信のダウンロード速度が最も速かったのは、iPhone、Androidスマートフォンともにドコモだった。ダウンロードの平均速度については、前回の調査ではAndroidスマートフォン「Xperia A」を使用し24.70Mbpsとなったが、今回は「Xperia Z1 f」を選択し28.82Mbpsを記録。高速化が進んだ。iPhoneにおいても、ドコモは25.01Mbpsと他社に比べて速かった。

またドコモのiPhone/ Androidは、いずれの地域でもダウンロード速度が最速だった。調査地点のカテゴリー別にみても、全10カテゴリーで1位と、ダウンロード速度ではドコモの圧倒的な強さがみられた。ドコモでは下り最速112.5Mbpsと下り最速150Mbpsの超高速サービスのエリア展開を進めており、これが今回、同社の下り平均速度を押し上げた要因となったとみられる。

ダウンロード最速はiPhone/ Android端末ともにドコモ

アップロード速度はソフトバンク

一方で、iPhone/Android端末ともアップロード速度が最も速かったのはソフトバンクだった。特にiPhoneが6機種の中で最速で、アップロード速度の平均は9.64Mbpsだった。また、ソフトバンクのiPhoneは、全国12地域すべてで最速のアップロード速度を記録。都道府県別にみると、iPhoneで41都道府県、Androidでは36都道府県で1位となった。測定地点のカテゴリー別の結果をみてもiPhoneでは「PA/SA/道の駅」を除く、9カテゴリーで他社のiPhoneを上回っている。

iPhone/ Android端末ともアップロード最速はソフトバンク

全国で各社のLTE/4Gエリア化が進む

今回の測定ポイントにおけるエリア化率(つながったポイントの比率)は、通信事業者3社とも99%を超えた。中でもドコモは100.0%のエリア化率となっている。

またLTE/4Gのエリア化率は、各社とも9割を超えた。特に、auのiPhoneのLTE/4Gエリア化率は99.0%に上り、ドコモを0.3ポイントの僅差でかわして1位となった。LTEの800M全国展開の効果とみられる。

話題のスポット、都道府県別でもドコモが優位

今回、東京ディズニーリゾート、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を含む話題の東西レジャースポット10カ所程度でも測定した。その結果、ダウンロード速度が最速だったのはドコモ、アップロード速度が最速だったのはソフトバンクだった。

ドコモのダウンロードはiPhone/Androidともに他社より速く、特にiPhoneがディズニーリゾートで25.31Mbps、USJで27.09Mbpsと6機種中最速であった。一方、アップロード速度では、ディズニーリゾート、USJでもソフトバンクがiPhone/Androidのいずれでもリードし、特にiPhoneがディズニーリゾートで8.07Mbps、USJで12.19Mbpsと6機種中最速であった。ちなみに「あべのハルカス」では、ダウンロード速度、アップロード速度ともドコモのiPhoneが最速という結果になった。

都道府県別にみると、ダウンロード速度はiPhone/Androidのいずれも全47都道府県でドコモが1位となった。先日発表した満足度調査でドコモの結果が良かったことが、本調査(実測調査)の結果でも裏付けられた。アップロード速度ではソフトバンクがiPhoneで41都道府県、Androidで36都道府県において1位となった。