NVIDIAは5月6日、コンパイラ&ツールスイート「PGI 2014」のバージョン14.4の提供を開始したと発表した。

2014年2月に発表された「PGI 2014」は、高性能な並列化コンパイラと開発ツールの最新バージョンとなるスイート。今回のバージョン14.4ではパフォーマンスとプログラミング性がさまざまな面で改良されており、HPC分野において、アクセラレータやマルチコアCPUプロセッサのパワーを最大限に活用することが容易になった。

具体的には、OpenACC機能が拡張された。深くネストされたループに対するループディレクティブのcollapse節、並列化ディレクティブのfirstprivate節、C構造体/Fortranから派生したデータ節のタイプメンバ配列などが使えるようになった。また、C++クラスでOpenACCをサポート、静的配列クラスメンバ、動的配列へのメンバポインタ、メンバ関数やメンバ演算子などが使えるようになった。加えて、OpenACCデバイスサイドデバッギングが、Allinea DTTでサポートされた。

また、マルチコアCPU機能と拡張により、「Intel Sandy Bridgeプロセッサ」で動作する場合、「PGI 14.1」に比べてSPEC OMP 2012のパフォーマンスが高くなった。最新の「Intel Haswell CPU」については、新しいAVX2命令がサポートされた。さらに、C++11をサポートする新しいEDG C++フロントエンドが使えるようになった。

この他、「PGI 14.4」では、環境モジュール、NetCDFライブラリとHDF5ライブラリのプリビルトバージョン、新しいチュートリアルとコード例なども用意されている。

なお、「PGI 14.4」は、PGIのWebサイト経由でNVIDIAから直接入手することができる他、無償の試用版もPGIのサイトから入手できる。