「Call My Name 原発被災地を生きる犬猫たち」

台東区雷門のギャラリー・エフ浅草では、原発被災地の犬猫を撮影し続ける写真家上村雄高(かみむらゆたか)さんの作品展「Call My Name 原発被災地を生きる犬猫たち」を開催している。会期は5月26日まで。

写真家・上村雄高さんが撮影した52作品

福島県飯舘村は原発から30~50km圏にまたがる村で、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、高い濃度の放射性物質に覆われた。村は全域が避難指示区域に指定され、全村民が今も居住制限下にある。村民が暮らす仮設住宅では、動物との同居が禁じられており、犬猫たちは3年以上もの間、帰宅のままならな飼い主を待ち続けている。

写真家の上村さんは2年前より同村に通い、飼い主を待ち続ける犬や猫に対して給餌活動を続けるほか、動物たちの撮影も行ってきた。同村に通った回数は60回以上にもなるという。現地で生まれた子猫も4匹保護し、自宅でともに暮らしている。

作品は52作品。誰もいない家の窓から外をのぞく子猫のきょうだいや、雪が降る中、鎖につながれたままの犬、久しぶりの飼い主との再会に喜ぶ犬など、過酷な環境の中で2年間生き抜く犬猫の写真を展示している。犬猫の姿とともに、同村の四季折々の美しい山里の様子も収めた。

警戒区域、避難指示区域が設定されたのは2011年4月22日で、警戒区域では何万というペットと家畜たちの凄惨な餓死もあった。非常事態は今も続いており、原発事故の影響で人が住めなくなった同村には、およそ200匹の犬とおよそ400匹の猫が取り残されている。

同展は、12:00~19:00(最終日は17:00まで)。火曜は休館。入場は無料だが、犬か猫のフード1品の持ち寄りを呼びかけている。

詳細は、ギャラリー・エフ浅草で案内している。