2月2日サービスの利用を停止していた「にこ☆さうんど♯」のtwitter

北海道警察本部サイバー犯罪対策課および北海道手稲警察署は8日、dueおよびJASRACが著作権を管理する楽曲の音楽ファイルを不特定多数の者にダウンロードさせていたサイト「にこ☆さうんど♯」の運営者である、29歳の男性を著作権法違反(公衆送信権および送信可能化権侵害)の疑いで逮捕したことを発表した。

「にこ☆さうんど♯」は、動画サービス「ニコニコ動画」にて公開されている動画をMP3ファイルに変換してダウンロードおよびストリーム配信を行っていたインターネットサイト。専用のアプリケーション等をインストールすることなく、「ニコニコ動画」の動画掲載ページURLを入力するだけで容易に変換・ダウンロードすることが可能となっていた。特に「ニコニコ動画」で人気のあるボーカロイド楽曲が数多く配信されており、1日あたり約1,500件のファイルが変換され、大規模な違法配信が行われていたという。

同サイトの運営者は、ユーザーに無料で同サイトを運営していたが、大手広告サービスを通じこれまでに約1億3,000万円もの収益を得ていたことが警察の捜査によって確認されている。本件のような第三者サイトに公開されているコンテンツを、リンクやダウンロード等の方法で入手し、自身のサイト上で公開、誘導するという所謂寄生型サイトにおける、違法音楽配信に関してサイト運営者が著作権法違反の疑いで逮捕されるのは今回が初。

近年、違法配信において大きな問題となっているリーチサイト等の寄生型サイトは、広告収益を目的として開設されるケースが極めて多く、違法サイトに広告が掲載されることで、当該サイトに多額な広告収益をもたらせているという。dueとJASRACは「今回の事件が違法配信に対する大きな警鐘となり、適正な音楽配信ビジネスの発展につながることを期待しています」とコメントしている。

同サイトのtwitterでは、2月2日に「ご迷惑をお掛けしております。突然で申し訳ありませんが、諸事情によりサイトを閉鎖する事となりました。勝手で恐縮ですが、今迄ご愛顧頂きまして、ありがとうございました。」とツイートされ、サービスの利用を停止していた。