NHKは4月25日、小糸製作所、東京工業大学、名古屋大学が開発した紫色光を吸収し、黄色に発光する「クルムス(Cl_MS)蛍光体」を用いた白色LED照明器具を小糸製作所と共同で開発。2014年5月25日に放送される予定のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の第21話の官兵衛の幽閉シーンの収録にて使用したことを発表した。

NHKでは省エネルギー光源として白色LED照明器具の導入を進めているが、一部の出演者から「光源が視野に入るとまぶしく感じる」という声が上がっていた。クルムス蛍光体を用いた白色LEDは、従来の白色LEDに比べフラットな分光スペクトル特性であるほか、発光面積を大きく設計できるため、出演者が光源を直視した際のまぶしさを低減することが可能になるという。

スタジオでキャスターを照らす「キャスターライト」とロケや中継で使用する「ソフトライト」の2種類の照明器具を開発し、従来型の白色LED照明器具との比較評価を行ったところ、約9割の人から試作品の方がまぶしくないという回答を得たという。

また、演色性も高いことが、大河ドラマの収録で実際に確認されたとのことで、今後はさらに番組での試用などを重ね、番組制作用照明器具としての最適化を図っていく予定としている。

上が従来型のキャスターライト、下がクルムス型のキャスターライト