STMicroelectronicsは4月25日、浮動小数点ユニット(FPU)に対応したARM Cortex-M4ベースの32ビットマイコン「STM32F301/302/303」3品種を発表した。

「STM32F301」は、FPU対応のCortex-M4マイコンで1ドルを下回る製品となっており、32~64KBのフラッシュメモリ、および16KBのSRAMを内蔵する。また、「STM32F302/303」では、内蔵フラッシュメモリ容量が32KBから256KBに拡張されている。さらに、2014年中に、最大512KBのフラッシュメモリを内蔵する新製品が「STM32F3」シリーズに追加される予定。

「STM32F3」シリーズでは、DSP命令セットおよびFPUを特徴とする動作周波数72MHzのARM Cortex-M4コアと、高性能アナログペリフェラルを組み合わせることにより、エントリレベルのミクスドシグナル制御アプリケーションの高度な統合を実現する。「STM32F0」シリーズと完全な互換性があるため、同じ開発プラットフォームを使用できるという大きなメリットがある。そして、「STM32F303」は、Core-Coupled Memory(CCM-SRAM)技術により、90DMIPSの高い性能を実現しており、内蔵フラッシュメモリから100MHzを超えるCPU周波数で命令を実行するのに相当する「ルーチン・ブースト」機能を搭載している。

また、ARM Cortexマイコンでは、最速の1ビット、5Mサンプル/秒のA/Dコンバータ(ADC)と組み合わせた30ns未満のアナログコンパレータにより、デジタル電源、ソナー、モータ制御、照明、ワイヤレス給電など、繊細な制御が必要なアプリケーションにおいて高速リアルタイム性を提供する。この超高速ADCは、20kサンプル/秒で16ビット、1.2kサンプル/秒で18ビット分解能のオーバーサンプリング機能を使用して精度を向上させることも可能なため、センサデータ処理、ヘルスケア、電力メータ、計測装置などのアプリケーションにも最適となっている。また、「STM32F302/303」は、USB-LPM(Link Power Management)モードを採用することにより、接続時の消費電力が低減されている。

なお、価格は32KBの内蔵フラッシュメモリ、16KBのSRAMを搭載した「STM32F301K6U6」が1万個購入時で約0.89ドル。また、mbedに対応した最新の「STM32F302」Nucleoボート「NUCLEO-F302R8」が10.32ドル。「STM32F303」開発キットの「STM32F3DISCOVERY」を伴う開発エコシステムに追加されるため、新たなアイデアを試し、迅速にプロトタイプ開発を行うのに有効であるとしている。

STのFPUに対応したARM Cortex-M4ベースの32ビットマイコン「STM32F301/302/303」